2020年7月25日土曜日

課題

さて、前回は実力の数値化であった。
この良いところは、当たり前だが具体的な数字が出ること。
つまりは誰でもとっつき易いし、分かり易い。
逆、デメリットは判断基準が曖昧なところ。
表層を撫でるだけなのが、前回の記事でのお話。
近いところにいる人、あとは当然当事者にとっては、「具体的にどこが良いとか悪いとかないのか」「身内贔屓で甘めの採点じゃねーか」「女子はどうした女子は」「人間点数ですべてが決まるわけじゃない」って声があがるのではないだろうか。
今回はそんなブーイングを未然のものとすべく、多少脳内を整理してみた次第である。


点数について。
数字という客観性の高いものを持ち出してはいるものの、判断しているのは紛れもない主体としての僕。
当然僕個人としての限度内で判定せざるを得ない、そういうところが問題となる。
一例としては立ち技。
都道府県上位クラス、それを超えてくると、最早どのくらい強いかよく分からん。
他にも、僕の存じ得ない知識や、特殊なメンタル事情などは考慮できない場合もあるだろう。
例えば相手に激痛を与えるツボを知っており、自在に突くことができるとか。
試合中に進研ゼミよろしく相手に問題を提示し、解くのにもたつかせて隙をつくる、とか。

ま、そんな話はどうでもいいか。
僕の言い訳よりも、皆さんが気になるのは、「ではどうすれば点数を上げられるのか」。
体力と技術、何を求めるべきか、どのように向上させればいいのか、優先すべきは何か、こんなところだろうか。

では、上記自問した内の後ろから答えてみよう。
優先すべきは何か、体力である。
スタミナという意味ではなく、体の能力全体を指している。
ベンチプレスを例にしよう。
この場合何kgあげられる、というような最大出力だけではなく、動作に対する頑強さや柔軟性、俊敏性等も含む。
1回だけ挙上する最大出力、20回挙上できる最大負荷、垂下できる落差の限界、握りの幅の広狭、10秒間で可能な動作回数、なんて視点から考えることができるだろう。

次、上記細分化させた中でさらに優先させるのは何か。
最大出力と頑強さである。
理由は単純、七帝は無差別、試合時間が最低6分であるから。
無差別であるから、そもそもある程度の出力が無ければ技術を通せない。
試合時間が長いから、同じ動作の反復が求められる場合が多い。
出力と頑強さが無ければ、いくら技術を積もうとそれを通せないしリカバリーが効かないということになる。
最近の北大選手の崩れ方は、ここに肝があると僕は見ている。
序盤で練習した形には入れてもどことなく不安感が漂い、終盤何かの拍子で一気に瓦解、というシーンは多い。

つまりは、いつもだと7割の出力で反復し6分間保っていた技術が、試合では出力が8割になり継続時間が4分になってしまう、ということ。
この解決には、ギリギリの負荷を連続的に与えるのが効果的だと思う。

そういう観点からだと、冬の筋トレ合宿における山内さんからの課題「ベンチ100回」は正しかったのだろう。
ちなみにルールとしては以下の通り。
・累計で100回を目指す。
・マックスの重量から開始。
・その重量で1回(2回だったかも)しかできなくなったら、最低限(たしか2.5kg)だけ重量を下げる。
・終わるまで繰り返す
パワー型の小竹さんや清野が、終わるころにはバー(20kgだったと思う)を上げ下げするのに精一杯だった記憶がある。

要約すると、
・全員が七帝の無差別、長時間の試合を乗り越えるために
・ギリギリの負荷を連続的に与え(管理が難しいが)
・まずは体力、中でも最大出力と頑強さを高めるべき
ということ。


さて、ここまで読んでくれた方はお気づきだろう。
何かと言うとつまり、僕がミスリードを狙っていた、ということ。
完全な嘘ではない、上記も必要なひとつではある。

『つまりは、いつもだと7割の出力で反復し6分間保っていた技術が、試合では出力が8割になり継続時間が4分になってしまう、ということ。』
ここでの問題は『試合では出力が8割になり継続時間が4分に』ではない。
『いつもの練習だと7割の出力』、これこそが問題である。
「10割でやれ」ということではない。
いやまあそれでもいいが、人間性を捧げねばならなくなって何かと不便も多い。

では何か。
「出力が何割だろうと構わないが、説明可能であれ」
僕はこれを欲している。

その上で、その説明が全体の納得を得るものであれば尚良い。
理想としては、自分ではなくチームメイトの行動決定について、それくらいのレベルで説明可能なのが、良いチームなのではなかろうか。


そんでもって、僕が思う(昨年度思っていた)課題を幾つか。
1. 仲の良さ。 
2. 練習後の努力。
3. 個人の尊重。

次はこれらについて述べるかも。
あと、今回触れなかった技術についても私見を述べる機会をつくろう。
未来の僕よ、頑張れ。


おわり。

2 件のコメント:

  1. >説明可能であれ
    これですね。
    「説明できる基準」がないと。
    ぶっちゃけなんでもいいと思うんですよ。方法は。理にかなっていれば。
    目標と現実とのギャップをいかに埋めるか。これを説明可能な基準に基づき埋める作業が、つまり試合までの練習。それが間違っていたかは結果が教えてくれる。
    ハッキリ言って、これが無く上からケツはたかれて汗流しただけの人と、これがあって上からのケツはたきは自分を追い込む手段の人は、伸びが全然違う。これは自分の他種目も含めた経験。
    ついでに点数。細かいこと言い出したらキリがない。「俺が見て組んで確かめた体感的強さ!」と言い切ればそれでいいかと。自分が考えを整理するための表なのだから。
    それを通せば。

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    1. たかぎさん、ありがとうございます。
      僕の主張に対してのご賛同、また論の補強もしていただけて嬉しく思います。
      最後の文についても、そう言っていただけてありがたいです。どうしても言い訳がましいところがあるのが僕の面倒な点のひとつですので。

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