道内広域にて荒天、路面も雪に埋もれて端に寄せられた分は背丈を優に超えるくらい。
札幌駅から道場まで走ると、先日よりも人の出が少なかった。
そういえば、と明日には大学入試が控えているのを思い出しつつ、受験生だった11年前を懐かしむ気持ちも出てきた。
時間は滔々と流れるものだ。
もう3ヶ月弱、北大での練習は50回ほどだろうか、年度が変わる。
さて、もうしばらくで年度が変わって、新1年目(予定)を迎える現役の様子といえば。
先輩の欲目で見れば、ちょっとずつ目的意識が出てきたところかと思う。
取るにしろ分けるにしろ、それぞれの方法論が見えてきたところではないだろうか。
朧げなそれを明確にして、そして軸にできれば、あとは諸々をその軸へと流れるように組み立てていくだけである。
例えば横三角で取るのならば、その前段として亀にさせるためにどうするか、また後段として横三角から仕留めるパターンは何を主軸にするか。
立技で分けるのならば、まともに組むのか袖を絞るのか、引き込まれたり巻き込まれたときの緊急避難は何をするのか。
このあたりが出来てきたら更に次のステップとして、それぞれの時間配分をどう組み立てるのか。
もうそろそろ自分探しは一旦終えるべきで、現実に焦点を当てなければならない。
「末は博士か大臣か、起業・FIRE・YouTuber」なんて都合の良い空想家のままではいられないわけだ、まあこれは僕のことなのだけど、いや嘘である。
そんな感想を抱いてた練習だけど、最後にこの日の仙人佐々木コーチとの会話でも振り返って終わりにしよう。
「最近横三角やる奴がまた増えてきたな」
「良くも悪くも、それぞれ個性が出てきてるんだわ」
「そっすねー、でも僕としては膝で迎えるパターンはお勧めはしないっすかね、効率悪いんで」
「浅野返しは実戦だけだと習得できないんだ」
「聞いたら『本来は2番の方が大事だし使えるんです』って言ってたんだ」
「東京五輪の後にやって見せたらしいんだが、当時のトップ選手は誰も理解できんかったらしいんだわ」
「それを分解写真で見て自分で習得したのが、、、なんだ」
「そんな歴史もあるんすね、まあ確かに捨て身系は実戦だけだとキツイのは分かります」
「僕の中の”反復でやるには非効率的な技3選”からは外しておきますね」
「捌いて頭付きに行くときに、みんな遠回りするんだよな」
「アレだと一瞬足りなくて逃げられちゃうんすよね、みんな変に優しいんすかね?」
「こないだ練習来てたけど、アイツのはちゃんとしてたな」
「縦返し返しな、やってみたら案外できそうなやつがいて良かったんだわ」
「でもあれをどうするかはもう俺の仕事じゃない、託した」
「佐々木さんの技研動画、YouTubeに投稿して一般公開とかどうです?」
「ああそれはいいんだ、別に構わんけど、多分思うような効果は出ないんじゃないかなあ」
「一部の熱心な奴らが勉強して頑張るのかもしれんけど」
「まあ、それはそれでどこかの誰かが繋いでくれるってことで、良いんじゃないですか?」
「北大から無くなっても、いつか逆輸入されるってのもあるかもしれませんし」
「そうかあー」
「いやー、俺も諦めて病院行くか」
「雪が溶けたらな、チャリで来れるから運動になっていいんだけどな」
おわり。
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