道場に入れば、いつもの景色に山吹色の鶏冠が一点。
成人式とかではっちゃけたのか、まあ大学生にありがちなやつだなぁ、なんて思っていたが、良く見ると1年目の桑村だった。
彼は確か現役合格組だったはずだが、とまで考えたところで、まあ柔道には関係ないしいいか、って思考を打ち切った。
彼の現時点での問題は、守るにあたって時間稼ぎの概念が乏しいことと、攻めるには無鉄砲に過ぎる動きを選びがちでリスク管理が馴染んでいないことである。
まあ、「今やれそうなことをやってみる」「失敗してもいいから色々やる」ってのは、1年目としては必要十分な練習態度だと思っているので、あまり心配してもいないのだけど。
無駄に見えるものごとがいつもそうかと言うとそうでもないだろう、発達の初期段階では特にそうだと思う。
まずはやってみて、それから選んで、最後は収束し磨き抜いたもので結果を出す。
有限の僕らが何者かになりたいのなら、そんなプロセスを踏むべきだろう。
何にせよ、時間が限られている。
引退までの期限が決まっている現役部員は、残りn回をひとつずつ削って練習している。
対して僕らOBOGは、生きていれば毎年、n+1回目の七帝に巡り会えるんだけども、なんだかなぁ。
さてさて指導。
僕は言を重ねる類の人間で、キャッチコピー重視の現代とは些か相性が良くないと、個人的にはそう考えている。
幸いなのは、指導対象が北大生であること。
それなりの量の情報を処理できる人達で、あちらこちらに飛んでいきがちな僕の話でも何とか受け取ってもらえている。
建設的な話ができる環境ってのは、ほんとに恵まれてるなぁ、なんて、社会人になって初めて理解できた。
安過ぎる居酒屋のオーダー係とか、あとはコンビニバイトなんかをやっていれば、僕でも学生時代に実体験できていたのかもしれないけれど。
そんなわけで、学生たちにはぜひとも専門性を活かした割の良いバイトをしてほしい。
次に繋がるものが得られれば良し、無ければその理由を分析すれば、それもまた次に繋がるはずなので良し。
まあ親の脛を齧りまくった僕が言える話でもないけど。
おわり。
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