2018年12月30日日曜日

納会 その2

間隔が開いたけど前回の続きということでその2。
前回に引き続き、引退した側に話を寄せて書いてみる。


小田さん。
益体もない言い方をすれば、神、と呼称される先輩。
完璧、というわけではない。
欠点と呼べる部分もあるだろうが、それを補って尚余りある徳が、更に上の先輩方からも尊敬される所以となっている。
柔道においては、正直に言うと強くはない。
単なる強さとして出ない部分が、小田さんを偉大足らしめている。
北大柔道部が個人主義柔道家の巣窟ではなかったからこそ、功徳は功徳として認知されたと思う。
勿論それが小田さん独りによるものではなかったのだろうけれど、果たした役割が誰にでできたかということは、決して、無い。
今回1,2年ぶりくらいに道着を着たということで、終盤完全に体力切れしていたけれど、だからこそ、「如何に現役の頃は無理を重ねていたのか」というのも見えてきて僕は独り感動していた。

諸事情により2人とばして、次は奈須。
僕の1つ下の主将で、アクの強すぎる同期や自由奔放な後輩に手を焼いた苦労人。
幹部の後半くらいになると、正対下でのインバーテッドガードを主軸にしたかなり手強い分け役に成長した。
途中から、インバーテッドの攻略は諦めて、ひたすら振り回して亀にするのを狙うしかなくなるくらい面倒だった。
足回しがキレイ、でも説明させると「こいた屁をかき回すイメージで」と、ちょっと残念なコメントをしていたのが記憶に残っている。
今は道内の町役場勤めで、地域の少年団で子どもたちと柔道してるらしい。

山脇は引退後に覚醒したタイプである、色々と。
彼の私的な性格や行動については、そのもう1つ下の後輩たちが良く知っていると思う。
波長が合うグループ内において、彼は教祖的性格を与えられていた。
相手に対応して、、、というのは苦手で、これは多分山脇の行動のおよそすべてに共通していることかと思う。
何が何でも自分の型に引きずり込む、できたら大体勝てる、というのが見ていて分かり易い。
片足を超えさせてからの腕緘で逆転して縛って足抜き、というのが常套手段。
フィジカルさえあればちょっとのコツでどうとでもなるが、無いとかなり面倒。

本田、僕の2つ下の主将、あと無礼な後輩。
彼の主将時代、二言目には「4年目は神」「不敬だ」と言って権力をかき集めていた。
以前紹介した気もするが、見た目は脳筋、中身は理論派の曲者。
理論を積み重ねた結果、出した答えが脳筋と同じだった、というケースがいくつかあって興味深い。
まあ、目に見える行動は一緒でも、過程や仮定の含有量の差で到達点はかなり違ってくるから、「考えても考えなくても一緒だ」というのは適切ではないのだろう。
脇がガバガバのくせして何故か強い立ち技と足抜き、亀に逃げたら遠藤返で追い立てられてトルコ返しでトドメを刺される。

ケント。
今回は「橋本」と黒板に記載されていたので、「あれ?リンタさんの名字なんだっけ?」状態は回避していた。
柔術出身の白帯・小柄・坊主・無口ということで、実直なやつなんだなあ、という評価を得ていた。
第一印象の評価など、夏頃までには180°変わっていることも珍しくない北大柔道部において、年度末ギリギリまで高評価を保っていた稀有な存在。
とある出来事で人生が90°変わったらしいが、その後の周りからの評価は安定していた。
正対下から引っ掛けるような動きが得意。

小形。
ケントとは水と油的な関係、と思っているのは本人だけで、ケントからはきっとたまに遊んであげるおもちゃだと思われている。
性格を一言でまとめると、姑気質。
良くも悪くも細かいところに気が付く、ねちねち、ねちねち。
分け力が高いけど、そのスタイル的に頭髪へのダメージが深刻でヤバい。
人生にネガティブを見出すのがとても得意で、炭水化物と塩分が好物。

小山は、まとめ役としてのリーダーと言う感じの主将だった。
水と油とドスとチャカとダイナマイトと深淵と、、、みたいな同期を繋ぐ楔のようなイメージだろうか。
柔道的には大怪我続きで雌伏期間が長くて心配だったが、最後の七帝には何とか間に合って本当に良かった。
出来ることを減らして特化させた分、正対下からの返しの力はかなりのものだった。
最近インドから帰ってきたけど、お土産のカレー味のお菓子はなかなかいけた。

あとは4年目の方々。
岡本は相変わらずの高機動型関節師だったけど、流石にあそこまで守りに入られると厳しいか、、、という試合だった。
まあ、1年目ゾーンに行ったらもう、誰も止められなさそうな気しかしなかったから、現役側としては、うん。
鹿野は見せ場づくりが上手い、本人が狙ってやってるわけでもないだろうけど。
同じ経済学部の先輩で、足抜き下になってから頑張るゲスガエルを髣髴とさせる試合だった。
確かに盛り上がるけど、現役はそういうのは真似せずに安定した感じでやってほしい。
田上は、そういう意味では安定感はあった。
練習にはあまり来ていなかったようだけど、生来の体の柔らかさもあって、見ていて「うん、まあ大丈夫だろう」という雰囲気を作ってくれた。
小笠原は相変わらず芸達者。
技術は豊富だけど、体が硬いから十全には使えずパワーで押し切るって感じは否めないが、まあ普通に強いよね。
あと腕緘は怖い、掛ける側もね。


よし、結局試合の話はあんまり詳しく書けなかったけど、こんなもんでどうだろうか。
思い出せば、それぞれの人について記事も書けそうだ。
試合を観察してて思ったのは、やはり練習量の多寡は出る、ということか。
苦しい状況になったときに、普段の姿勢が如実に表れる。

今回だと、4人目の時には僕の腕はもう使えない状態で、「それでもやらねば」って気持ちがまず出てこなかった。
だからもういろいろと騙し騙しでしか動けなくて、練習不足による劣化を痛感させられた。
そんな体たらくを見せても、誰にも良い影響なんて与えられないだろうし、指導者って難しいものですね。
いやー、もうちょっと格好良い風を装いたいけど、張りぼてだとすぐに飛ばされちゃうから、結局ちゃんと積み上げないといけないんだなぁ。


おわり。

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