2020年7月25日土曜日

体力的課題

前回に続く今回。
おさらいすると、まずは体力が重要。
中でも最大出力と頑強さが重視されるべき。
とここまでは良いが、具体的な目標については述べていなかった。
なのでここで補足として僕なりの考えを置いておく。
ここで挙げる目標を達成してくれれば、高強度の練習や試合本番にも耐えられるだろう、というところ。
時期的には、早ければ2年目七帝時点、遅くとも3年目の東北戦までには達成してほしい。


目標としては、簡単のために北大道場で可能なトレーニングで、多くの人が経験したものを例にとる。
ベンチプレス、スクワット、デッドリフト、懸垂、綱、反り跳びの6つ。


ベンチプレス
最大出力:100kg又は、自重の1.5倍
頑強さ:最大出力の9割の重量を2,3回、半分程度を30回

スクワット
最大出力:120kg又は、自重の2倍
頑強さ:唐突にスペシャル200回やっても、次の日にの練習をまともにこなせる程度

デッドリフト
最大出力:100kg又は、自重の1.5倍
頑強さ:装具なしで最大出力の8割(デッドリフトそのものではなく、握力や腹圧のかけ方等付随部位の強化がメイン)

懸垂
肩幅ほどの開き、順手、最大進展の3/4ほどで10回
軽量級は15回、もしくは5~10kgで重りをつけて10回
反動を用いて20回

下半身を用いずに往復、中軽量級は2往復
重量級は、降りるときに下半身を用いないこと

反り跳び
往路7回、復路10回

僕なりの目安としてはこんなところである。
山内さんに言わせれば「ゴミ」を抜け出したギリギリのところなのかもしれないけれど。
まあそれでも、これらすべて達成できれば、七帝選手の8割くらいには技術を通せるはずである。
実際は各々の得意不得意やケガなんかの特徴に応じて、クリアするものは過半数程度でもいいのかもしれない。
ただその場合、得意分野ではより上位の基準が求められるだろう。
例えば、清田監督は最大出力という観点では現役時代から点でダメだったらしい。
幹部になってからもベンチプレスで70kgくらいが限界で、山内さんにマジギレされたというような話を聞いたことがある。
しかし清田さんは柔軟性や技術・経験でカバーしたのだろう、結果今でも現役よりも強い。
トップ選手(層ではなく)以外ならば安定して分けられるだろうし、そこそこ強いくらいならむしろ取れる場合も多いように思う。

「じゃあ清田さんの技術を盗めば良いわけだな」って考えも出てくるかもしれないが、これには大いに賛成票を投じよう。
しかし、技術向上の目的が体力強化からの逃避になってしまうことについては、反対である。
逃げる、ではなく、捨てる、これならまだ良い。


そういうわけで、今回は体力について僕なりの指標を出してみた。
これをベースにして、各選手に合せたものを色眼鏡にして観察しているのだけれど、そういえばそれをいちいち伝えてはいなかったなあ。
うーん、これは僕のコミュニケーション不足と言えるだろう。
後は、今の僕自身はこれら体力的指標を突破できているのだろうか、ちょっと不安になってきた。


おわり。

課題

さて、前回は実力の数値化であった。
この良いところは、当たり前だが具体的な数字が出ること。
つまりは誰でもとっつき易いし、分かり易い。
逆、デメリットは判断基準が曖昧なところ。
表層を撫でるだけなのが、前回の記事でのお話。
近いところにいる人、あとは当然当事者にとっては、「具体的にどこが良いとか悪いとかないのか」「身内贔屓で甘めの採点じゃねーか」「女子はどうした女子は」「人間点数ですべてが決まるわけじゃない」って声があがるのではないだろうか。
今回はそんなブーイングを未然のものとすべく、多少脳内を整理してみた次第である。


点数について。
数字という客観性の高いものを持ち出してはいるものの、判断しているのは紛れもない主体としての僕。
当然僕個人としての限度内で判定せざるを得ない、そういうところが問題となる。
一例としては立ち技。
都道府県上位クラス、それを超えてくると、最早どのくらい強いかよく分からん。
他にも、僕の存じ得ない知識や、特殊なメンタル事情などは考慮できない場合もあるだろう。
例えば相手に激痛を与えるツボを知っており、自在に突くことができるとか。
試合中に進研ゼミよろしく相手に問題を提示し、解くのにもたつかせて隙をつくる、とか。

ま、そんな話はどうでもいいか。
僕の言い訳よりも、皆さんが気になるのは、「ではどうすれば点数を上げられるのか」。
体力と技術、何を求めるべきか、どのように向上させればいいのか、優先すべきは何か、こんなところだろうか。

では、上記自問した内の後ろから答えてみよう。
優先すべきは何か、体力である。
スタミナという意味ではなく、体の能力全体を指している。
ベンチプレスを例にしよう。
この場合何kgあげられる、というような最大出力だけではなく、動作に対する頑強さや柔軟性、俊敏性等も含む。
1回だけ挙上する最大出力、20回挙上できる最大負荷、垂下できる落差の限界、握りの幅の広狭、10秒間で可能な動作回数、なんて視点から考えることができるだろう。

次、上記細分化させた中でさらに優先させるのは何か。
最大出力と頑強さである。
理由は単純、七帝は無差別、試合時間が最低6分であるから。
無差別であるから、そもそもある程度の出力が無ければ技術を通せない。
試合時間が長いから、同じ動作の反復が求められる場合が多い。
出力と頑強さが無ければ、いくら技術を積もうとそれを通せないしリカバリーが効かないということになる。
最近の北大選手の崩れ方は、ここに肝があると僕は見ている。
序盤で練習した形には入れてもどことなく不安感が漂い、終盤何かの拍子で一気に瓦解、というシーンは多い。

つまりは、いつもだと7割の出力で反復し6分間保っていた技術が、試合では出力が8割になり継続時間が4分になってしまう、ということ。
この解決には、ギリギリの負荷を連続的に与えるのが効果的だと思う。

そういう観点からだと、冬の筋トレ合宿における山内さんからの課題「ベンチ100回」は正しかったのだろう。
ちなみにルールとしては以下の通り。
・累計で100回を目指す。
・マックスの重量から開始。
・その重量で1回(2回だったかも)しかできなくなったら、最低限(たしか2.5kg)だけ重量を下げる。
・終わるまで繰り返す
パワー型の小竹さんや清野が、終わるころにはバー(20kgだったと思う)を上げ下げするのに精一杯だった記憶がある。

要約すると、
・全員が七帝の無差別、長時間の試合を乗り越えるために
・ギリギリの負荷を連続的に与え(管理が難しいが)
・まずは体力、中でも最大出力と頑強さを高めるべき
ということ。


さて、ここまで読んでくれた方はお気づきだろう。
何かと言うとつまり、僕がミスリードを狙っていた、ということ。
完全な嘘ではない、上記も必要なひとつではある。

『つまりは、いつもだと7割の出力で反復し6分間保っていた技術が、試合では出力が8割になり継続時間が4分になってしまう、ということ。』
ここでの問題は『試合では出力が8割になり継続時間が4分に』ではない。
『いつもの練習だと7割の出力』、これこそが問題である。
「10割でやれ」ということではない。
いやまあそれでもいいが、人間性を捧げねばならなくなって何かと不便も多い。

では何か。
「出力が何割だろうと構わないが、説明可能であれ」
僕はこれを欲している。

その上で、その説明が全体の納得を得るものであれば尚良い。
理想としては、自分ではなくチームメイトの行動決定について、それくらいのレベルで説明可能なのが、良いチームなのではなかろうか。


そんでもって、僕が思う(昨年度思っていた)課題を幾つか。
1. 仲の良さ。 
2. 練習後の努力。
3. 個人の尊重。

次はこれらについて述べるかも。
あと、今回触れなかった技術についても私見を述べる機会をつくろう。
未来の僕よ、頑張れ。


おわり。

2020年7月19日日曜日

主観的分析2020

以前の記事を眺めていたら、良いのが見つかったので継続してみることにした。
記事タイトルで思い出された方もおられるかもだが、一応去年のはこちら
戦力の数値化だけど、7月の今現在ではなく、昔の記憶を頼りにやってみた。
なにしろ僕が最後に練習に出たのが2月末か3月頭付近なので。
一応最後に、見込みということで分析っぽいことをしている。

基準をおさらいしておこう、以下前回からの引用。
ーーーーーー
数値化するにあたってルールは以下の通り。
①平均的な分け役を基準に考える=分け力1.0とする
②取り力は、分け力を基準に考えて差分で評価
③消耗度=スタミナの概念
④細かいことは抜きにして、主観で決める
ーーーーーー
②について補足しておく。
差分で評価、とは取り力と分け力の差が一本勝ちできる可能性になるということ。
取り力2.0なら、平均的な分け役に対して2.0-1.0=1.0=100%勝てる見込みである、という評価で、つまりは取り役。
取り力1.5で準取り役ってところか。
女子については人数が少なく平均を考えにくいので、今回も分析できていない。


そういうわけで、あとは独断と偏見で、どん。

年目名前取り力消耗度分け力消耗度
41.4(+0.1)0.4(±0.0)1.9(+0.2)0.3(±0.0)
41.6(±0.0)0.5(±0.0)1.7(-0.1)0.5(±0.0)
4西森2.1(+0.5)0.4(-0.1)1.8(±0.0)0.5(±0.0)
4藤田0.8(+0.1)0.5(±0.0)1.4(+0.1)0.5(±0.0)
3●笠井0.6 0.5 1.2 0.5 
3近藤1.1(+0.4)0.5(±0.0)1.5(+0.1)0.5(±0.0)
3●町田0.7 0.5 1.0 0.5 
3片桐1.1(+0.6)0.4(-0.1)1.4(+0.6)0.5(-0.1)
2澤田1.3(+0.6)0.5(±0.0)1.5(+0.7)0.5(±0.0)
2坂田1.2(+0.6)0.4(-0.1)1.7(+0.5)0.4(-0.1)
2●清水0.3 0.5 0.5 0.5 
2石川0.8(+0.7)0.5(±0.0)0.8(+0.5)0.5(±0.0)
2●石田
引退時森本2.2 0.1 2.1 0.2 
現在森本
2.0 0.4 2.2 0.4 

()内は前年からの増減、取り力・分け力は+、消耗度は-ならそれぞれ向上したということ。
あと、●付きはケガなどのために僕が実力を測れなかった人たちで、それぞれ増減なしでカウントした。

で、2年目以上の男子の分け力の総和が、16.6となった。
前回の記事では「25以上でちゃんと戦えるチーム」と評したので、3月時点では全くもって戦い抜くことはできないチームだった、ということになる。
勿論、15人ではなく13人の合計値、しかも4人のケガ人を含むことは考慮すべき対象である。
ケガ人たちが全員復帰したとして、彼らの成長分を測ることができたなら、総分け力は1.5~2.0くらいは上昇するだろう。

また、3月ではなく7月の試合時点を仮定すれば、話はさらに変わる。
新歓による1年目の獲得により、15-13=2人を戦力に追加できるので、その分の上り幅が1.5~2.0といったところだろうか。
また、練習期間の増加、しかも追い込み期間も含むので、更に1.5~3.0くらいの上昇が見込まれたのではなかろうか。

以上より、7月時点での総分け力は21.1~23.6だったのではないか、というのが僕の見立てとなる。
そして昨年の総分け力が21.6であったのを鑑みるに、最下位脱出がギリギリどうか、というところではないだろうか。

取り力についても、3月時点で2.0以上(取り役)は西森1人、昨年7月は3人。
1.5以上(準取り役)を含めても、3月時点では笹が加わっての2人、昨年7月は6人。
1.5以上の方で考えると、成長したとして届きそうなのが森・澤田・坂田の3人だったろう。
近藤・片桐は取り力全振りで血反吐撒き散らせば届くかもしれない、というところか。


まとめる。
3月時点では、総分け力16.6(13人)、取り役が1人、準取り役が1人。
7月(見込み)は総分け力21.1~23.6、取り役が1人、準取り役が4~6人。
2019七帝時は総分け力21.6、取り役が3人、準取り役が3人。

そういうわけで、2020年の七帝時の戦力見込みは、分け力・取り力ともに昨年と同水準かちょびっと向上したところだという結論に至る。


うーん、こうして見ると、やっぱり厳しいんだなあ。
とりあえず今回はここまで。
次はここからどうするかを考えないと。


おわり。

2020年7月17日金曜日

蓄えるだけなのも忍びない

読書が好きである。
趣味趣向の話で、唐突だけれど、今回はひとつ自分語りである。
「現役の様子は?」と気にかけてくださり、本ブログに来られている方々には申し訳ない。


再度、僕は読書が好きである。
ジャンルは割と何でもよい。
歴史、評論、エッセイ、短編、長編、シリーズもの、SF、ホラー、自己啓発とか。
勿論ジョジョを含む漫画も含まれる。
たまにジョジョネタを挟んでいるのも伝わっているだろうか、そうでないのならちょっと恥ずかしかったりもするのだが。
ただし自己弁護なのだが、純文学とかいうものにはあまり明るくない。
勤勉な学生なら読んで然るべき大文豪の著作も、特に知らないものの方が多いだろう。
就職して日銭を得るようになってからは、2,3ヶ月に1度は書店でジャケ買いしているように思う。

何故読書が好きか。
答えは、それまでに知覚できなかった世界との接点が得られるから。
いわゆるコレクターに近い傾向である。
僕は北大柔道部の選手陣には「どうかコレクターにはならないでくれよ」と思っているのだが、ジャンルが違えば自分も立派なコレクターである。
つまりは、知識を好き勝手に取り漁るもののそれらを有効活用できないし、するつもりもない輩であるということ。
僕の読書にはそういう側面が多分に含まれている。
なので、「本から得た知識で実生活をうまくやれ」とか「じゃあ他者の気持ちを慮って行動できるんだね」とか「ジョジョ立ちやってみろ」とかには上手く応えられないことの方が多い。
ただ自分になかったものに触れて、世界を拡張できたかも、という感覚が好きなだけである。


それでもたまには、本を通じて世間様に繋げよう、という気持ちになることもある。
今回の記事はそんな一面もある。
そういうわけで第2部、こんな本を読みました、レビュー。

発達が気になる子が輝く 柔道&スポーツの指導法
Amazonにて1,100円(消費税込み)+配送料で販売中

中身としては、いわゆる「発達障害」の子供がいた場合柔道指導者はどのように行動すべきか、が発端となり、競技者養成一辺倒ではない多様化を目指して論が進んでいる。
その中で、発達障害そのものについて、発達と運動との関わり、柔道指導において考慮すべきこと、などが理論や研究結果、また筆者らの経験を交えて身近に感じられるように表される。
1つ挙げるとすると本によれば、文科省の2012年の調査で、通常学級にいる子供の約6.5%に発達障害の疑いがあるらしい。
これは僕が勝手に思ってた「まあ2~3%くらいだろ」の倍以上の数字であった。
また、コミュニケーション系の発達障害は、脳機能や精神ではなく、体の使い方が苦手なことに起因する、ということも興味深い話であった。
コミュ障=話が続けられない人、ではなく、「話す」ための「口の使い方が未熟」であったり「聞く」ための「耳の機能の弱さ」だったりが、結果として「話を円滑に進められない=コミュ障」となってしまうということである。

読んでいく中で思ったこと。
そういえば北大柔道部にも発達が気になる人は多い。
本に記載されていた臨床例をいくつか抜き出してみると、
・自分の興味あることについて一方的にしゃべり続ける(会話のキャッチボールが続かない)
・ケンケンがうまくできなかったり、鬼ごっこで急に方向転換するときによく転んだりする
・手を叩きながらスキップするなど同時に二つの動きがなかなかできない
現役でもOBOGでも、当て嵌まりそうな顔が数名浮かぶ。
3つ目なんかは特に、該当者が結構多そうな気もする。
また、よくよく考えてみると、退部していった人にはこれらに該当する人が比較的少ない気もする。
そう考えると、北大柔道部は発達が気になる人が一定数いる中で存続してきた(少なくとも僕が入部してからの10年近く)、面白い団体なのではないだろうか。

そもそも人間幾つになっても未熟な部分はあるものだろうし、長く生きてりゃどこかしら悪くなるもんだろうから、そういう意味ではみんな等しく発達障害だと思っている。
みんなが何かしら抱えている中で、配慮はしつつもじゃあ自分は何を抱えて掲げて駆けて行こうかって、そうやって自己主張してくのが良いんじゃなかろうか。
これは僕の思い描く北大柔道部像の、ひとつの側面でもある。


おわり。

2020年7月9日木曜日

まだまだ

先ほど知ったのだが、道場の封鎖は続くらしい。
情報元はfacebookの北大柔道部のページ
驚いたので北大のサイトを確認すると、現時点ではこちらに情報は無し。
公表に先駆けて学生には事前に伝えておいた、ということなのだろうか。
しかし、経済活動が(歪、不穏ながらも)再開してきた中で、学生の課外活動禁止を貫くとは一体、どういう判断基準を越えて出てきた答えなのか。
以前見た時には、
「7月10日に(~略~)レベルを1にすることを検討」
とあり、レベル1における学生の課外活動は
「感染防止に最大限配慮した上での許可」
とあった。

以上より考えられることは2つ。
1.明日、7/10以降もレベル2のまま
2.レベル1に引き下げるが、何らかの理由での道場の封鎖は続行

どちらにせよ「何故?」は尽きないものの、お上の判断なら学生は従うしかないのだろう。
ただし、あくまで「道場の封鎖」が続行というだけで、「活動禁止」については言及されていない。
「道場封鎖」するものの、「活動は再開可」となれば、多少の納得はできる。
そういうわけで僕としては最低限、「活動再開」の文字を目にすることを願っている。


しかし、色々と社会が回りだした中で、大学生に「引きこもって勉強だけやってろ」とはいかないと思うのだが。
家計のためのアルバイトなり、活動再開した学外の施設でのヤミ活動なり、はたまた鬱屈を晴らすための外出なり、大学が感知できない活動が積極的になる面は大きいのではないだろうか。
「学内での感染はありません、ですが学生の感染はいっぱいです!」
なんてことにならないことを祈る。
それかあれか?大学生は若い人が多いから、
「若人は重症化リスクも症状発生割合も少ないから、多少感染しても表には出ないだろ」
って考えなのか?

「いやいや、学生の安全を総合的に考えた上での苦渋の決断です。再開後に向けて今は各施設の設備更新をする予定だから、臥薪嘗胆、共に苦境を乗り越えましょう」
こんな声明を期待したい。


あと設備更新するなら、道場2階の暖房が数年に亘って壊れたままなのをどうにかしてほしい。
あれが改善されれば冬場のケガも、かなり減ると思う。


おわり。

2020年7月5日日曜日

七帝始まらず【現役紹介】

拝啓、COVID-19禍の無い平行世界の皆様。
今は昼前、そろそろ準決勝の大勢も決する頃でしょうか。
初日に敗退した方々、一晩明けて、まっすぐ前を向けるようになれたでしょうか。
主管、阪大の運営陣の皆様、今年も主将審判会議のネタが十分以上に出ていることかと存じます。
来年度に回ってくる京大の皆様にとっては、頭を抱え始める頃かもしれませんね。
OBOGの皆様、死に物狂い、悲喜交々の選手の姿にあの頃の自分を見出せたでしょうか。
練習量に裏打ちされた彼ら彼女らの自己主張は、正しく心を打っていることかと思います。
人生100年時代における第1章とでも言いましょうか。
季節で言うところの春に、一旦の幕を引く為の2日間。
咲いた花は如何でしたか、どのように散っていったでしょうか。
こちら、病を得た我々は日々の対応に追われ、近頃はそんな想像も夢幻、最初から存在しないモノのように感じる今日この日です。
願わくば、そちらの誰もが昨日今日の結果をきちんと受け容れ、またの季節を巡る糧とせんことを。
敬具


そういうわけで、今年も終わり。
北大柔道部的には今日で代替わりをし、幹部一同は退くことになる。
とは言っても、北大は依然課外活動を全面禁止しているのでやれることは少ない。
7/10に北大の行動指針レベルの引き下げが検討されているらしい。
ソースはページの右上隅、https://www.hokudai.ac.jp/covid-19/students.html#info
実行されれば、行動指針レベル1となり、課外活動も条件付きで再開できることになるのかと思う。
とは言うものの、柔道は密着状態が基本であり、寝技なんかはその度合いが最も大きい。
こうなると、いつになれば元通りの練習ができるのか、いやそもそもできない前提で動くべきなのか、だいぶ困る。
下手を打つと自粛警察にすっぱ抜かれて、諸々の対応という心底無意味な時間を過ごす羽目になるかもしれないと思うと、頭も痛くなってくる。

ちなみに個人的には、北大での練習が再開されるまでは柔道しない、ということにしていた。
そうすると、僕の存在意義もあやふやになってきた感も出てきたところで。
北大柔道部に直接関われない今、北海道で働いている意味もあんまり無いよなあ、なんて考えすら出てくる。
以上が、僕の話。
以下は幹部紹介に移ろう。
申し訳ないが2人まとめる。


まずは西森。
物事は合理的に考えたい、ってヒトに見える。
入部当初は中肉中背、寝ても立ってもまあまあ動ける。
方向性をしっかり決めれば抜きでも分けでも良い選手になるだろう、というのが最初の印象。
パッと見は合理的で、自分をしっかり持っていそうに見えるものの、実は色んなモノに影響されがちな面もある。
肉体的な接触を好んでおり、森まるを抱きかかえたり佐久間を殴ったりするのがこれにあたる。
色々見てると、西森本人も周りも、「西森=クールで孤独なとこがある」って思っていそうだけど、多分ほんとはそうじゃなくて。
結構他人が好きだし、他人を思って行動するようになった幹部後半は、結構イイ人間性ができてきてた。

自分のレベルアップに集中した期間は、確かに西森の実力を伸ばしたし、自他ともに評価されたことと思う。
だけど北大柔道部員としては違って、むしろ、培った自分をどうチームに役立てるか、ってのに悩んだ期間の方が西森の価値を高めたと信じている。

そんなわけで、彼には狼を推そう。

おおかみ、、、いや狐じゃね?ってのは無しで。
旭山動物園のガチャガチャで当てたフィギュアがあったので、
個人的には良く描けたと思ってる。

「一匹狼」って言葉はあるけど、実は集団生活が基本。
そんなところがぴったりだと思う。
僕は西森の七帝での選手としての活躍よりかは、彼の精神面の成長がチームに浸透したその先をこそ、見たかったけど。
まあ、これは言ってもしょうがないことなので、ここいらでいったん締めよう。


最後、笹。
青森出身ということで、僕は八戸のイメージで接することも多かったものの、実際は弘前のヒト。
そういやあんまり訛ってない。
他人想いで、色んな人の思いを抱え込むけど許容量を超えがち。
これは東北民に多い特性で、そんな特性を抱えたヒトは、飲みではっちゃけることでストレス解消させていたように思う。
ストレスは酒量に反映されるのだろう、そういう飲み会の記憶は朧げなことが多い。
なんか楽しく騒がしく、時には涙交じりの問答をしたよな、って記憶だけが残る。
パッと思いつくのは畑中さん、根本さん、幸恵さん、清野、早狩、大御所、松尾、小形とか。

脱線復旧、話を笹に戻そう。
諸先輩方に対して、僕は笹とがっつり話した記憶があまりない。
なので、彼がストレスに対処できていたかには、とても自信が無いわけだ。
事実として、笹の心は壊れたし、復帰にも相当な時間がかかった。
色んな人に止められる中で、それでも前を向いてくれた彼は、ひとつ尊敬に値する。
大きめの体に脆くも広い心で、僕が持ちえないものを持っている笹を。

そんでもって、柔道以外では色々とコミカルな話も抱えている笹なので、アリクイにしてみた。
彼に関わる面白系の話は、多分部誌やブログに載っていると思う。
この2つ、たまに読み返すと再発見できることも多いので暇なときにはお勧め。

あんまりうまく描けなかったので、笹っぽさを出そうと
考えた結果、ひげをつけてみたり、、、悪足掻き。

いつまで経っても自信の無さそうな様子だけど、それもひとつ特徴として役立てられるような道を見つけられることを願う。


おわり。