2022年1月26日水曜日

敗れざる者たち 20220125

仕事休みで所用を済ませ、15時過ぎには時間が空いてしまった。

練習開始の16:30までに特にやるべきこともなく、とりあえず道場へ。

玄関前、現役達で造ったというかまくらは入口が半分ほど塞がれて、小学生くらいしか出入りできなさそうな状態になっていた。

部室で仮眠、僕が卒業するときに置いていったローソファ(長年の酷使で既にペラペラに)を枕に、誰が置いていったか不明な布団を借りた。

部室で寝ると悪夢を見る、というのが学生の頃の定説だったのだけど特に問題は無かった。

その頃には前半組もまあまあ集まり、道場の掃き掃除。

しかし酷い。

穂先が2〜3割程しかない箒や、目減りだけならまだしも何処ぞの未熟者が切りつけた跡があちこちにある畳がちらほら。

暖房も含めて、大なり小なりの設備更新が望まれる状態であると思う、そう思い始めてだいぶ久しい、というのもまたあるけれど。



さて練習の話。

人数が減っている。

大方は期末試験の影響だと思うが、今のところ「試験休み導入論」が俎上に持ち出されている気配はない。

2〜3年置きに話は出るのだけど、毎回喉元過ぎれば忘れ去られ、が繰り返されている。

まあ言い出す人の殆どが普段の生活に難のある者ばかりだった、というのが主因で間違いないだろう。

学問はそこそこでもやっておく方が良いと思うのだけど、社会に出た時の武器の一つになり得るのでコスパはよろしい。

仮に興味が無くなったとしても、そこそこやる分にはできないことはないだろう。

なんて、不良社会人の僕が言ってみる。


そんなところで前後半通して多分3〜5人くらいがいなかったような気がするが、練習自体は無事成立していた。

これは北大の部員数のメリットなので、是非活かしてもらいたい。

最上なのは、「部員数はメリットにならないよね」って七大学全校が言える状況なのだろうけど。

まあ僕は僕なりの範囲でできることをやるしかない。

しかしできることが増えるとなれば、また欲が出てくるもので、次は練習の質を上げたいのが僕の性。

1年目門馬に日々の目標設定について質問攻めしてみたり、2年目國次に分けようとする1年目小島を煽って動かさせたり。

そんな具合に1年目の底上げを狙ってみた。

目論見は半ば成功、というくらいの手応え。

小島に指示してたら相手の國次がいつもと別パターンの仕留め方を見せるなんて、望外の成長も確認できたので結構満足だった。


あと、最近は特定の技に対する、特化型の防御姿勢なんかもチラホラ見受けられるようになってきた。

特化型であるが故に滅法強いのだけど、視点や発想を転換させると呆気ないほど簡単に攻略できてしまう面もある。

そんな議論も少しずつ増えてきたのが、嬉しく思う今日この頃。



おわり。




2022年1月23日日曜日

MANBO No.5 20220122

この日は最高気温0℃付近ということで、比較的暖かめとも言える日中だった。

がしかし、雪もまあまあな振り方をしており、道場までの道のりは多少険しかった。

週明けに蔓延防止措置を控え、また土曜日ということで街を行き交う人の量は少なく、平日なら自然と踏みしめられている雪も結構な量で。

そんでプラスアルファ、そこに雪が被さってくるもんだから歩道はどんどん狭くなる。

すれ違うたびにどちらかはふかふかの中に片足を突っ込む羽目に、ということで足元はブーツを選んで大正解、侵入してくる雪もだいぶ少なく済んだ。

それでも、道場に着くころには裾が雪塗れで白々としていたのだけど。


道場では何かしらの行事だったらしい合気道部が片付けを行っていた。

15時から柔道部が使用可能なようにするという話だったらしく、14:55あたりは大詰めの段階だったのだろう。

作業はギリギリに終わり、前半組は無事15時からの練習開始であった。


反復にて気になったので、3年目石田の遠藤返し(又はSRT、腹包みとも)を修正。

実用段階の初期~中期にありがちなことで、括った腕の使い方が甘かった。

今まで某ゴリゴリの同期やムキムキのおいなりさんや顔のデカい後輩なんかの、それは酷い反復を受けた経験から細々とアドバイス。

まあ少なくとも同階級以下の相手に対しては「腹持たれたら終わりだ」くらいの圧を与えられるようになって欲しい。

当然痛いし、かと言って我慢せずに受けると相手の為にもならないしで、受けるのが本当に嫌なのだけれど、こればっかりは仕方ないと思っている。

そんな風に相手を痛めつける要素が、遠藤返しを突き詰めた先にある。

だもんで、体の未発達な少年少女には使用禁止にした方が良いと、個人的な見解を述べておく。

発育に差がある子にやられたら、肋骨とかバキバキに折れるんじゃなかろうか。

デカいやつがやる払い巻き込みと一緒に禁止しといてほしい。


乱取では自分のスタミナ不足を実感することになった。

3日連続の練習参加ということで、回復が追い付かず後半組では散々な結果に。

いややはりこういう時に練習量とか根源的なメンタルとかが出てくる訳で、化けの皮を剥がされた気分だった。

まあ、紛い物でもまだ彼らの役には立てそうなので、大幅な改善策とかは特に無いのだけど。

でも食事はちゃんと考えといた方が良かったかもしれない、昼はラーメンでごはん無しにしてしまっていたし。

麺は腹に溜まらないって、そこのところのリスク管理を出来ていなかったということか。

脳が美味いと思わせるものと、身体が旨いと歓ぶものはちょっと違うと、そういうことだろう。


美味い飯をみんなで囲むのが、栄養摂取の面でも組織の一体感を高める面でも最も効率的ってことか。

でもまあまた、しばらく自粛ムードが押し寄せるだろうけど。

そろそろ数字でも出せそうな気もするけどなあ、今回の自粛はそんなに効率的でもなさそうだって。



おわり。

2022年1月22日土曜日

REVOLUTION HAS COME 20220121

1年目桑村の鶏冠は刈り取られていた。

体型も相まってビジュアルが丸みに溢れ、笹からは「赤ちゃんみたい」と言われる始末。

ちなみに「今日はなんだか気に食わなく思えてしまう」「でも月に1,2回くらい物凄くカワイク見えるときがある」というのも笹の言。


そんな桑村が乱取で当たりに来たので、唐突に「今日の目標は?」と訊ねたら、「試したいことが、、、」と即座に切り返してきた。

「おっ、いいねえ」と思って叩き潰しに行ったのだけど、そういや試したいことの結果はどうだったのか、確認を忘れていた。


そんな始め方をしたもんだから、この日は個別指導のイメージで練習を通した気がする。

反復前には仙人佐々木コーチによる頭付き談義もあったので、数人にその展開を教え込んでみたり。

乱取を1本丸々使って、技術整理をさせてみたり。

練習後に3年目坂田と2年目田中が来たので対応もしたし、だいぶ働いたのではなかろうか。

そのときのまとめが、何というかしっくり来たので、ちょっと追加分も入れてここに残しておこうかと。

・上手くいかないことの大半はフィジカルつけて、何か頑張ればできる、守るときは特に

・「何か」を見つけたいときは要素に分割すべき

・「要素」を抽出する際に、大半の人は「速度」と「タイミング」だけに目が行きがち

・でも「速度」と「タイミング」は技をかける際の話で、実はその前、準備段階が結構重要

・つまり立技で言うところの「崩し」「作り」

・「崩し」「作り」が巧く出来ていれば、「かけ」る際のパワーが少なく済んだり、時間的な余裕が生まれる

・寝技は立技よりも猶予時間が長いので、状況把握→判断→実行が可能な場合が多い

※立技では決断→実行や、反射=実行の占める割合が大きく、論理判断が間に合わない場合が多い

以上。



おわり。

2022年1月21日金曜日

時よ 20220120

道場に入れば、いつもの景色に山吹色の鶏冠が一点。

成人式とかではっちゃけたのか、まあ大学生にありがちなやつだなぁ、なんて思っていたが、良く見ると1年目の桑村だった。

彼は確か現役合格組だったはずだが、とまで考えたところで、まあ柔道には関係ないしいいか、って思考を打ち切った。

彼の現時点での問題は、守るにあたって時間稼ぎの概念が乏しいことと、攻めるには無鉄砲に過ぎる動きを選びがちでリスク管理が馴染んでいないことである。

まあ、「今やれそうなことをやってみる」「失敗してもいいから色々やる」ってのは、1年目としては必要十分な練習態度だと思っているので、あまり心配してもいないのだけど。

無駄に見えるものごとがいつもそうかと言うとそうでもないだろう、発達の初期段階では特にそうだと思う。

まずはやってみて、それから選んで、最後は収束し磨き抜いたもので結果を出す。

有限の僕らが何者かになりたいのなら、そんなプロセスを踏むべきだろう。

何にせよ、時間が限られている。

引退までの期限が決まっている現役部員は、残りn回をひとつずつ削って練習している。

対して僕らOBOGは、生きていれば毎年、n+1回目の七帝に巡り会えるんだけども、なんだかなぁ。


さてさて指導。

僕は言を重ねる類の人間で、キャッチコピー重視の現代とは些か相性が良くないと、個人的にはそう考えている。

幸いなのは、指導対象が北大生であること。

それなりの量の情報を処理できる人達で、あちらこちらに飛んでいきがちな僕の話でも何とか受け取ってもらえている。

建設的な話ができる環境ってのは、ほんとに恵まれてるなぁ、なんて、社会人になって初めて理解できた。

安過ぎる居酒屋のオーダー係とか、あとはコンビニバイトなんかをやっていれば、僕でも学生時代に実体験できていたのかもしれないけれど。

そんなわけで、学生たちにはぜひとも専門性を活かした割の良いバイトをしてほしい。

次に繋がるものが得られれば良し、無ければその理由を分析すれば、それもまた次に繋がるはずなので良し。

まあ親の脛を齧りまくった僕が言える話でもないけど。



おわり。

2022年1月19日水曜日

Long road to ruin 20220118

このところ最高気温がプラスになり、先週の豪雪は形を様々に変化させている。
道場前の歩道はさながらスノーボードのハーフパイプ、或いはボブスレーのコースの様相を呈していた。
車道との境に積まれた雪も、背丈を優に超えている。
視線を上げた所にも足跡があるのはきっと、1年目か旅行者、それか酔っ払いのものだと思う。


オミクロン株の影響が広まっているらしい。
先行して感染拡大した他国の様子や感染者数と死亡者数の統計を見るに、日本では他国ほどには酷いことにはならなさそうな気もする。
勿論、政治家先生方が仰っておられた、デルタ株流行の際と比較して対応力を底上げする、という宣言が実行できていればの話ではあるけれど。
そんなわけで、仕事に行けるくらいなら柔道もできる、という思考のもと北大に行くことはやめないでいる現状である、以上釈明終わり。


こんな中でも学生は出来ることを続けている。
もうちょい思考を進めて、出来ることを増やすのではなく実行する物事を収斂させていければ、冬の過ごし方としては尚良い。
悪く言えば諦めろ、良く言えば拘れ、というやつ。
僕はよく正対下から足抜きで守るのだけど、袈裟固めの守りだけはガバガバにしている、何故なら抑え切られる不安が無いし、何なら半数以上は逆転できるから。
そんな見えすいた罠にかかる現役の数が、少しでも減ってくれればなぁ、とそんな思いで横四方の指導を手厚くしている。

練習最後の研究時間。
質問が2つ。
「横三角で返した後、位置次第では相手の頭が急所に当たって動けなくなる」
これは確かに由々しき問題だろう。
こういう時のコツは下手に自分で動きまくらないこと、つまり相手が身動きしたくなるような状況を作ることである。
固定と加圧をキーワードに、自分の動き方を整理すると良いと思う。

「前三角を掛けても、担がれてそれに対処できず押し込まれてしまう」
これは1年目石田からの質問であった。
要は実戦で全然出来ない、ということであるが、原因は簡単、技術レベルが実戦段階でなかったというだけのことだった。
事前の仕込みや、一瞬を狙うってもの無しに、ただ前三角の形に入れば良いって、雑に言うと、考えが甘かったのだろう。
ただ甘さの程度は、まあ1年目だしこんなものでしょう、というところではあるので、問題視するほどではない。
さて次はどこまで考え詰めて、やって出来るようになって、そして何に躓くのか、楽しみなところでもある。


帰り際理系連中(院生含む)が有効数字の概念を理解していないことが判明、受験生諸君、北大生でもこんな具合の者もいるので、大いに安心してほしい。
産業界の方々にとっては、全く安心できないことかもしれんが。


おわり。


2022年1月15日土曜日

氷の世界 20220114

道内広域にて荒天、路面も雪に埋もれて端に寄せられた分は背丈を優に超えるくらい。

札幌駅から道場まで走ると、先日よりも人の出が少なかった。

そういえば、と明日には大学入試が控えているのを思い出しつつ、受験生だった11年前を懐かしむ気持ちも出てきた。

時間は滔々と流れるものだ。

もう3ヶ月弱、北大での練習は50回ほどだろうか、年度が変わる。


さて、もうしばらくで年度が変わって、新1年目(予定)を迎える現役の様子といえば。

先輩の欲目で見れば、ちょっとずつ目的意識が出てきたところかと思う。

取るにしろ分けるにしろ、それぞれの方法論が見えてきたところではないだろうか。

朧げなそれを明確にして、そして軸にできれば、あとは諸々をその軸へと流れるように組み立てていくだけである。

例えば横三角で取るのならば、その前段として亀にさせるためにどうするか、また後段として横三角から仕留めるパターンは何を主軸にするか。

立技で分けるのならば、まともに組むのか袖を絞るのか、引き込まれたり巻き込まれたときの緊急避難は何をするのか。

このあたりが出来てきたら更に次のステップとして、それぞれの時間配分をどう組み立てるのか。

もうそろそろ自分探しは一旦終えるべきで、現実に焦点を当てなければならない。

「末は博士か大臣か、起業・FIRE・YouTuber」なんて都合の良い空想家のままではいられないわけだ、まあこれは僕のことなのだけど、いや嘘である。


そんな感想を抱いてた練習だけど、最後にこの日の仙人佐々木コーチとの会話でも振り返って終わりにしよう。


「最近横三角やる奴がまた増えてきたな」

「良くも悪くも、それぞれ個性が出てきてるんだわ」

「そっすねー、でも僕としては膝で迎えるパターンはお勧めはしないっすかね、効率悪いんで」


「浅野返しは実戦だけだと習得できないんだ」

「聞いたら『本来は2番の方が大事だし使えるんです』って言ってたんだ」

「東京五輪の後にやって見せたらしいんだが、当時のトップ選手は誰も理解できんかったらしいんだわ」

「それを分解写真で見て自分で習得したのが、、、なんだ」

「そんな歴史もあるんすね、まあ確かに捨て身系は実戦だけだとキツイのは分かります」

「僕の中の”反復でやるには非効率的な技3選”からは外しておきますね」


「捌いて頭付きに行くときに、みんな遠回りするんだよな」

「アレだと一瞬足りなくて逃げられちゃうんすよね、みんな変に優しいんすかね?」

「こないだ練習来てたけど、アイツのはちゃんとしてたな」


「縦返し返しな、やってみたら案外できそうなやつがいて良かったんだわ」

「でもあれをどうするかはもう俺の仕事じゃない、託した」


「佐々木さんの技研動画、YouTubeに投稿して一般公開とかどうです?」

「ああそれはいいんだ、別に構わんけど、多分思うような効果は出ないんじゃないかなあ」

「一部の熱心な奴らが勉強して頑張るのかもしれんけど」

「まあ、それはそれでどこかの誰かが繋いでくれるってことで、良いんじゃないですか?」

「北大から無くなっても、いつか逆輸入されるってのもあるかもしれませんし」

「そうかあー」


「いやー、俺も諦めて病院行くか」

「雪が溶けたらな、チャリで来れるから運動になっていいんだけどな」



おわり。

2022年1月12日水曜日

違う、そうじゃない 20220111

仕事が休みということで、朝イチ整骨院で治療をしてもらってからの、夕方前後半の練習参加。
筋力も柔軟性も落ちているということで、肉体改善の必要性をひしひしと感じた。

16:25頃、練習直前に換気扇が回ってたので慌てて止めると、3年目坂田から「ホコリっぽかったので」とのこと。
まあそれもそうだろうし、感染症対策としても換気扇は常に稼働させるべきものという意見があるだろう。
だがしかし、道場の暖房稼働時間は短い。
2,3年前に聞いた話では、午前と夕方に2時間ずつ、とのことであった。
よって、後半組なんかは特に寒い。
体を動かしているうちはなんとかなるものの、乱取を終えて5分も経てば尋常でない寒さに襲われる。
汗びっしょりになるもんで、かと言って練習強度を下げるなんてもっての外、ジェットヒーター欲しい、火器なので禁止されるだろうけど。

この日の個人的なテーマは基礎運動。
敢えて参加せずに、自分は柔軟やって身体を解しながらじっくり見てみた、全体の感想としては、まだまだ贅沢に時間を使ってるなぁ、というところ。
以下個別の感想。
足蹴り 蹴ってない、酷い
足回し 成長意欲が見られない、レベルは足蹴りよりは多少マシ
肩ブリッジ 遅い
ブリッジ 成長してるか甚だ疑問
前ブリッジ 悪くない、負荷のかけ方を変えられる層が増加中
腰切り ちょっと心細い、抑え込みのイメージが無い層が過半数
這う 足の爪先は推進用ではない
エビ 移動目的だけっぽいのがチラホラ
逆エビ みんなあと5〜10cmは高く跳べるはず
横エビ できているので、たまには跳ねるタイプのもやってみて良いかも
横回り これも、今以上を求める必要性は薄いので頻度を減らしたり他の動きに変えたりしてもいいような気がする
開脚後転 次は個別に細部を詰めていく段階、柔道の動きとして、若しくは身体操作や可動域の改善として
ワニ歩き 高さを変えずに動ける層が、あと3〜4人いてもいい
ゴキブリ ほぼ及第点、できる人たちが次に何の概念を入れるのかに期待
倒立歩行 90kg級までなら全員できて欲しい、今のところ3割くらいか
受け身 惰性でやってる感がある、ここにも気を遣えられれば、一般的にも三流〜二流と言えると思う

以上。
あとは前後半で乱取6分10本やったり、痛いし技術不足を痛感させられる背負い潰しをやったりしたので疲れた。
最近当たる相手が、というより当たらない現役が固定化されているのでちょっと不安。
目に入らないヒトまではちょっと救えないからなあ、単純に僕の手も頭もその他色々が足りないので。

そんな感じのことを考えながら、晩飯を作る為にも吹雪く中をせっせと帰ったのであった。



おわり。


2022年1月9日日曜日

オーダーメイド 20220108

土曜休みで久々の前後半参加。

張り切って基礎運動をやると体が上手く動かず、特にエビが妙なことになっていた。

左足裏で蹴り出す前の膝の曲げ具合が悪いのと、蹴った後の右膝の引き付けが浅く、また切り返しの際の体の連動が遅くなっていた。

きっと前々日から2日連続での参加、この日が3日目ということで疲労が取れていなかったのかもしれない。

こういう時にどれだけ気を張って踏ん張れるかどうかが、現役とOBOGの境目のような気がした、いやはや僕もOBになったもんだ。


練習では、成人式その他で現役部員は6,7人ほどしかおらず、賑わいは当然いつもほどではなかった。

まあそれならそれでいる人間の深堀りをやってみた次第。

そんなわけでいくつか紹介。


・感覚派と理論派

3年目の中だと、澤田・後藤は前者、石田と中山は後者ってイメージが強い。

僕からすると、技を教える分には前者、全体で共有させる段階では後者の方だと比較的楽しやすい。

ちなみに僕は家族から「石橋を叩いてヒビが入っても『行けんじゃね?』って渡るタイプ」のようなことを言われたことがある。


・自分中心と相手依存

7,8割は前者で、「自分はこう動きたい」を軸に最適解を探し始めるタイプ。

後者は「状況としてこうなってればいいや」って適地に入ったらあとは悠々自適、ぬくぬくし始めるタイプ。

1年目の羽成はたぶん後者、いや別に怠け者ってわけではなく、「あれ?コイツ良い位置に入ったし、巧いことキープしてんなあ」って瞬間が多い。


これらはあくまで傾向ってだけで、全局面でどちらかに極振りってのは無いんだけど、色々と整理してみるのは大事なことだと思う。

大事なのは自分で軸を仮決めして、一見バラバラな物事をまとめてみること。

ってわけで、以下番外編。

僕が今メインで使ってる技とか行動をまとめてみた。

やり方はこれでなくとも何でもいいんだけど、誰かの参考になれば嬉しいかな。


1.各局面での動きを抽出、攻め手(左)と守り手(右)に分類。

抽出する動きについては足切りラインを設けている。

今の僕だと、攻め手なら幹部学年の分け役の平均値くらいを相手にして、仕掛けたら半分以上成功するかどうか。

守りならば、同じく幹部の、今度は抜き役の平均値くらいを相手にして、1分以上保つかどうか。

分類は単純な2択にはせず、何故なら兼用の動きもあるので、それらを各局面の中間位置に配してみた。


2.局面間を移動する動きについて、矢印を引いていく。
使う場面をイメージしたかったので、まずは攻めるとき。

3.次は守るとき。

4.最後は逆転や「待て」を狙うとき。

以上、抜けはあると思うけど、あとは分析。
こうして見ると僕はまず、全局面で攻めも守りも何かしらは持っている。
攻める際には、最終的に手数を多く持つ足抜きを狙うパターンが、最も成功率が高くなりそう。
対して守る際には、立技と正対上で時間稼ぎして、本命は正対下・亀・足抜きでぐるぐると展開していくことになる。
今後攻め手を増やすとしたら、立技→正対上 or 亀のパターンがあれば、局面間の移動がよりスムースかもしれない。

以上、僕自身の分析をやってみた。
繰り返しになるが、急ぎ仕事でやってみたのでこの分析手法自体に改善の余地は大いにあると思う。
誰か上手い方法あれば公開していただくか、もしくは僕にだけ教えてもらってSNSなんかで小出しにしたり自己啓発本みたいなのを共同出版させてもらったりして甘い汁を啜らせてもらえるとありがたい。

最後に、現役の人たちについて言えることとしたら、こんなに技の種類は無くても良いってこと。
多分各局面の攻めと守りに使える動きが1つずつあれば、結構安定するはず。
あとはそれらの動きを関連させられれば、七帝で十分使える選手になっていると思う。
今度同じ分析を、現役時代の僕でやってみよう、きっとスカスカになっちゃって恥ずかしいんだけど。
まあ過ぎたことだし、良いか。


おわり。

2022年1月8日土曜日

その向こうへ 20220107

そういう気分だったので札幌駅から道場までアップがてら走った。
積もった雪はアスファルトよりも足に優しく、如何にも滑りそうなところはゆっくり行けば良い具合に身体も温まった。
全身にしっとりとした汗が浮かび始めてきたころに道場に着き、新装の体温計では35.7℃と表示。
多分額の表面温度で見ていて、外気温との差し引きだとそんなところだろう、なんて思った。

前日と同じくらいの時間に到着したため、後半組の反復からの参加。
その後の乱取も合わせて、3年目坂田と久々に組み合った。
長いケガの割にはそれなりに動けているので、あとは役割とそれに合った方向性をしっかり定めれば、悪いことにはならないんじゃないかなあ、という感想。
如何せん3年目にはもう時間が無いので、あと1つ枝を増やすのが精いっぱいだろう。
オミクロン株流行の兆しは既に出ているので、いつまた練習できなくなるかも分からんし。
というか、政府としては昨年のピーク時以上でも対応できるようにする、ということだったのけどそのあたりどうなのだろう。
日本は1日の感染確認者の最大数が確か25,000人程度だったはずで、現状2,000~4,000人程度。
感染力は強いものの重症化リスクは低減しているとのことだが、うーむこの話はまたにしよう、ここで記すべきことでもない気がする。

兎も角北大柔道部のお話。
前日の背負い潰しについての情報追加、というか方法の指定もあった。
仙人佐々木コーチ的には、現役全体に複数パターンのやり方を教えるのは、ましてやさせるのはちょっと早かったかもしれないということで。
いろいろと迷って良く分からんままになるくらいなら、強制的に1つに絞る方が良いのでは、ということであった。
まあ確かに、同じ「分からん」でもみんな同質の動きをやっていれば相互に確認もし易くて良いのかもしれん。
この辺りは「それぞれの個性が~」ってのと相反するところで、僕としては「短期間に全体のレベルを引き上げたい」観点から上記案には賛成側のような気もする。
まあ、一定数いるであろうこだわりの強い人には、ぜひそれを貫き通してみてほしくもあるのだけど。
「俺は早いとこ背負い潰しからの送り襟絞め、そこからの○○(次の展開、一応部外秘とさせていただく)を教えたいんだ」とは気が逸る仙人の言であった。

帰りも走ったら、家まで残り1kmでまあまあの吹雪だった。
まあ火照った体にちょうど良かったし、社会人の今はシャワー時間が10分くらいになっても心を痛めなくなってきたので、ストレスフリー。



おわり。

2022年1月7日金曜日

久々写真付き 20220106

19時頃の道場、チャリが数台あるのが北大っぽいところだと思っている。


部室に辿り着くと代表がいらしてた。

相変わらず飄々とした言動で、何というかホッとした。

着替えを済ませて畳に上がれば、反復の終わり際、2人から横三角を受けた。

同じ技でも特徴は別で、だからこそ指導の方向性もちょっと変えている。

展開を増やす方と、根幹を育てる方。

それが終わって次は乱取か、なんて思ってたところ、今回は研究であった。

背負い潰しの紹介、受け台として皆の前で絞められること10回ほどだったろうか。

そこそこツライ、世間様には見せられないような顔になっていたはずなので、代表に写真撮られてなくて良かった。

その後はテーマ別で実践練習、まだまだ慣れていない様子だったけど、そのうち良くなってくるだろう。


おさらいがてらここに概要を残しておく。

背負い潰しは1. 背負い投げを止める工程と、2. 止めた相手を絞めて取る工程に分けられる。

練習の目的としては、立技の対処(1. の工程)よりも絞めの習得・習熟(2. の工程)がメインである。

1. では主に3つの方法が紹介され、

1-1. 腰を落として相手よりも低い位置を取る

1-2. 自由な方の腕で背後から相手の股を掬う

1-3. 膝を相手の腰に当てて押し込む

これらを1つないしは複数組み合わせて回転を止め、受けるという説明がなされた。

2. はさらに2系統に分かれる。

2-1. 後ろについての絞めと、2-2. 横についての腰絞め。

これらの締めは①片羽絞め型と②送り襟絞め型に大別され、それぞれで使用状況や体の使い方が若干異なる。

以上簡単に分別しても最低3×2×2=12通りの展開があるのだが、個人的には初心者や締めの苦手な者は2-1. で比較的安全な位置かつコントロールの効き易い展開を、志願者や出来る者は2-2. のより素早く展開できる方を練習するのが良いと思う。


とまあ絞めが主軸ではあるものの、テーマ別の動きでは半数以上が背負いを胸で受けようとしていたので、これはこれでそのうち修正させるべきところかとも思った。


練習後小耳に挟んだところによれば、今週末は成人式のために多くの部員がいなくなるとのこと。

もし本ブログを読んでいるOBOGその他関係者の方々がいれば、今週末はひとつ狙い目かもしれない。

道場に入って左手、階段の手前には自動簡易検温器が設置されているので、ちょびっとだけ安心感も増すことだろう。



何となく景色を見たくて、メンストを下って帰った。

教養棟のあたりから南方向。
車道脇の積雪は腰のあたりで、まだまだこれから、というところ。



おわり。

2022年1月3日月曜日

東北戦感想、簡単ながら

時間が経つばかりか、年の瀬も越えてしまった。

この間、ちょくちょくと考えていたのは、「何故我々は勝てたのか」このひとことに尽きるだろう。

見たことのない光景だった。

耐性が無い、と言ってみても良いのかもしれない。

夢見心地の気分で、思考がなかなか進まなかった。

未だ醒めきってないし、だったらいつものように纏まらない話でお茶を濁そう、そんな思いで久々に記事を綴っている。


数は力。

まず分かりやすいところはここだろう。

今回は10人の勝ち抜き戦だったのだけど、東北大が現役13人の内出場可能な10人で駒を配置したのに対し、北大は男子19人の内出場可能が15人(合ってる?)で、そこから駒を選ぶことができた。


直前の対策が功を奏した説。

これはあまり関係ないような気もする。

直接的に役立ったようには見えなかったが、選手の精神的安定剤にはなっていたのかもしれない。

しかしだからと言って、「今後みんな色々できるようにしようぜ」となるべきものでもないことには、注意しておくべきだろう。


3年目は結実の時を迎えつつあるが、2年目は背丈を伸ばし蕾を蓄える時期、1年目は蒔いた種が芽吹いているところ。

COVID-19前と比較すれば、2,3年目は半年〜1年遅れという印象。

ただしこれは両大学とも似たようなものであり、どちらがどう、ということでもない。

むしろ、いままでの環境を思えば良くやっているものだと思っている。


精神面。

部を牽引する幹部を見ると、奇人変人変態性は北大に軍配が上がるだろう(実社会的には不適格の烙印を押されるかもしれないが)。

よって、我の強さで押し切ったと見るのも良いのかもしれない。

実力伯仲であれば、あとは心の問題しかないのだから。

しかし人間の変なところというのは、その変な具合が余程でなければ初見で見抜けないというのもまた事実。

もう何度か交流の機会があれば、滲み出すものがきっとあるだろう。

北大勢もまだまだいろんなのを抱えてるような気もするのが、普段から対応する身としてはちょっと怖いところだけれども。


いやしかし、勝つというのも妙なもんだなあ。

何とか整理して、再現性を持たせるのがひとつ大きな課題。



おわり。