2018年10月30日火曜日

20181029

札幌では、雪の時よりもむしろ雨の時の方が寒い。
寒さの原因は、冬への心構えが不十分なことと、衣服にしみ込んで熱を奪っていくこととかなのだろうか。
恐らくは、上記以外にも理由を考えれば色々とあるのだろう。
ものごとは複合的な因果関係の上に成り立っている。


そういえば、今年は北大の銀杏並木を見ぬまま、例のあの匂いが鼻につき始めてきた。
紅葉狩り、今からでも遅くは無いだろうか、いやでも雨で大抵の葉は落ちてしまった可能性も高い。
葉っぱと一緒に叩き落としたのだろう、今年は雪虫もまだ見ていない。
おお、白いのがふわふわと漂っておる、と思っていたら実は虫で、止まっているのを見ればあんまり綺麗ではなかった。
練習前の掃除の時に換気扇を回したら、そこにたまっていた雪虫の死骸がばら撒かれて大惨事になったのは、確か僕が1年目の時だったと記憶している。


この日の練習は、技研。
腕返し、腕絡み、舟漕ぎ、金次郎、3点セット。
腕返しは回らないこと、腕絡みは肘の向きに回転させること、舟漕ぎは圧を緩めないこと、金次郎は返すときの肋への引っ掛ける感覚、3点セットは受けが徐々にレベルを上げてやって実戦に近い雰囲気でやること、が重要だと思っている。
まあ細かいところは他の指導陣と違うかもしれないが、ポイントは多分一緒。
というのも技の解説の間、僕は留学生の女の子に抑え込みとか教えてたので、他のみんなの方はあまり見られなかった。

練習後は片桐、千葉、町田の1年目3人組で3点セットの復習をしていた。
と思いきや別の技で、「コムロックの動画で見た飛行機投げやりたい」ということだった。
飛行機投げについては、生憎僕には分からなかったので、手助けは出来なかったが、自分たちだけで答えを探すというのも大事なことだろう、がんばれ。


おわり。

2018年10月24日水曜日

アルキタきてた 20181023

練習行ったらカメラがあった。
途中で練習を一旦中断して、で、なんか掛け声をあげながら拳を宙につきだしていた。
「アルキタ、オー」的な。
アルキタといえば北海道のバイト情報誌だったはず。
つまりはこの宣伝が上手くいけば、現役部員にラクに稼げるバイトを紹介してくれるのだろう。
北大柔道部に入れば柔道できるし体つきも良くなるしなんか知らんけどお金も稼げるしモテ期が訪れるし成績優秀かつ就職安泰で人生勝ち組、なんて進研ゼミも真っ青なハートフル大学生活が始まるということか。


先頭でカメラマンの指示を受ける中島と後ろで指示待ちの烏合の衆。

中島ソロでの撮影、を横から撮影。


しかし急拵えだとやはり棒読み感はある。
傍から聞いてて「うおー、アルキタでバイトするぜー」なんて感情はあんまり湧かない。
まあ、その辺は数の暴力と、柔道部員の見た目の圧力で押し切る方針なのだろう、人は見た目が9割、残りは勢い。

そういうことを考えると、プロの演者の人たちはやはりすごいのだろう。
わざとらしさとかを感じさせずに、かつ受け手の感情を揺さぶるのは並大抵ではない。
感情によって動くのがヒトで、合理性なんてのは実は案外5番手くらいだと思う。


おっと、練習内容について語るのを忘れてた。
まあいいか、みんなカメラを気にしつつ頑張ってたんじゃないかな。
季節の変り目で体調不良者がちらほらいたけど、飯食って体暖かくして寝てれば大体オッケーなので、さっさと元気になってもらいたい。


おわり。

2018年10月23日火曜日

流れ 20181022

週始めの練習に行ってきた。
今週も技研メインなのかなー、と思っていたのだが、東北戦も近いのだろう、基立が入っていた。
基立といえば、立っている人を追い込むための練習である。
だけど、昨日は普通に乱取をしてしまったような気がする、反省せねば。
基立は能力を高めるための練習ではなく、儀式や試練のようなものだと思う。
試練は強敵であるほど良い。


基立の後は急遽、上四方固の技研。
胸を合わせないタイプの抑え方で、割と強いし、極めの形自体難しいものではない。
ただ、実戦ではなかなかその形に入ることも少ないのが欠点だろうか。
僕自身がこれを知ったのは2年目の後半くらいな気がするが、実戦で使えるようになったのは幹部以降でだった気がする。
ある程度自分の型ができて、その中での補助的な抑え方として。
僕は下からの返しと、亀取の横三角を主に使っていて、その流れから外れたときの咄嗟の処置として使っていた。

そんな考え方だったから、練習後に1年目の近藤に「どんな風にこの抑込に持っていくのか」と聞かれて困った。
なるほど確かに、ゴールが明確なのに、至るためのプロセスがあまりに他人任せなのは問題だろう。
流れの中で動くことも大事だが、そもそも自分の流れに持ち込むのは更に重要であろう。
新しい着眼点を貰うことが出来た。
指導する立場でも、指導される人たちに気付かされることは多い。
これに関しては僕も不明瞭な領域だから、言い出しっぺの近藤には暫く自分で試行錯誤してもらおう、ということで話をまとめた。


その後は、筋トレを少々やって帰宅。
2年目の藤田がラダーを引っ張り出していたのを見て、僕も便乗させてもらった。
僕はああいう敏捷系のトレーニングは苦手で、一定のペースでなんかやる、ってのが好きなのだが、だからこそたまには良い。
なんとなーくの流れで動いている自分を、小刻みに扱っていくのは本当に難しい。
スタープラチナくらいの素早さと正確さがあれば、、、と思った。


おわり。

2018年10月17日水曜日

20181016

火曜日の練習はまあまあ良い雰囲気。
だけど体調不良者がちらほら出てて気になった。
札幌は季節の変わり目で朝晩冷えるので、練習後はしっかり食べて寝て回復させて欲しいが、講義やらバイトやらにも力を割かねばならん彼らには、十分な休養というのは難しいのかもしれない。
個人的には、どういう形であれ生活リズムは整えたほうが良いと思うけど。


さーて、今週の技研は。
腕緘、浅野返、関節絞、振子で、浅野返が2種類の計5つ。
浅野返は、例年2週に分けて1種類ずつやっていたのが、どうやら今年はまとめられたみたい。
同じ仕掛けから、相手の動きに応じて返しまでの過程を変えるというなかなか難しい動き。
そもそも返す理合も、体得し難いものだと思う。

まあでも柔道の技の殆どは、相手の重心を固定し、それを中心に円運動させるというものが多いから、そういう意味では浅野返はそこまで柔道の理合から逸脱した技ではない。
僕個人としては、関節絞が、あと山下上がりの極めなんかが、相手の生理現象とか思考の誘導とかが分かり易く出てくるので割合好みである。
腕緘は、1つ下の当時ムキムキのおいなりさんとの異名をとった後輩が使っていた技で結構トラウマもの。
略してムキなりさん、こと今成といえば、練習に行く度に乱取の終わり際に僕をぼこぼこにしようとニヤニヤしながらあたってきていたのを思い出す、あーやだやだ。

あ、あと仙人佐々木コーチは振子が好き、多分。


どの技も、「こういう動きをすればこうなる」ってのは勿論あるけど、その前に「こういう体勢の相手には」って条件が付くのを忘れがちになる。
単に「正対下の相手に」、ってのもそうだけど、それ以上に「正対下からの攻め/守る相手に」とか守るにしても「足を利かせる/絡む相手には」とかでやり口はだいぶ変わる。
寝技は立技よりも姿勢の束縛条件が多い分ケーススタディはやりやすいけど、そこからちょっとずれると修正とか応用が難しいような気がする。
今は色々とできることも増えてきてるし、技術の組合せなんかもすんなり決められることもあるけど、やっぱり知らないこともまだまだ多い。
そしてどんどんモノを覚えていきたいってのはあるけど、心配事もある。
つまりは、出来ないことが出来るようになると、一体何が起こるのかということ。
答えは、出来ない人の気持ちが分からなくなっていく。
だから指導する側としては、なるたけ頭ごなしにならないようにはしたいけど、もし今の現役の方々が苦い思いをしていたとしたら申し訳ない。
それは僕の力不足でもある。
最悪なのは、そのうち自分の認知している範疇だけを「常識」とか言い出せば、世間に巣食う傍若無人家の方々の仲間入りだと思う。
エゴを押し付けて許されるばかりか、それを我先にと求められるくらいの尊敬を得られれば万事解決かもしれないが、生憎僕には北アメリカで聖人の遺体を集めるレースは勝ち抜けないだろうし、そもそも生き抜けない、というか馬に乗れないので参加すらできない。


何か話もずれてきたのでこの辺で。


おわり。

2018年10月14日日曜日

みんなでとんでん

先日のブログにも書いた通り、とんでんに行ってきた。
宴も闌の頃に写真を撮ったのであげておく。
色々と話を聞いたり言ったりした気がするけど、大概忘れたので今回は写真メイン。
本当に大切なことは頭じゃなくて心で憶えてるから問題ない、まあそれは詭弁なんだが。

みんな色んな話は聞けただろうか。
真面目な話でも下らない話でもいい、ただ、すぐにでもいつかにでも、先に進むための材料として頭の片隅にでも引っかかってくれたら嬉しい。
そういうのは、普段接しない人からの方がすんなり入ってくる場合も多い。
だからこういう機会は大切にしてくれたらいいなあ、と思っている。
テーブル2つ繋げていたが、かなりギュウギュウ詰めだった。
ここまで集まるのも林さんの人徳ということか。

カウンター席で。川上の顔がちょっと怖い。

多分口説く本田に満更でもない佐久間。

店を出て集合写真。皆さんいい顔してますね。

この後何か分からんが大将で肉チャー大盛を食べることに。
とんでんから大将までの道のりはよく覚えていない。


肉チャーを待つ面々。

このあと酒が滅茶苦茶回ってきたので一旦外出して夜風にあたっていた。
火照った体と頭に札幌の秋風は丁度良くて、若干眠りそうになってた気がする。

舌鼓。

多少冷えた体に肉チャーの温かさが沁みた。
近年肉チャーの味は安定していて僕は好き。

誰か食べきれなかった分を食らう女子主将。

見守る人たち。いつの間にか山縣がいた。


この後山縣邸にお邪魔して泊めてもらった。
山縣邸と言えばゴミ屋敷で足の踏み場もないというのが定説だったが、ちょっときれいになっていた。
具体的には服と漫画が床から撤去されていて人が生活するスペースが生まれていた。
ただしきれいではなかったけど、まあ、虫が湧いているわけでもなかったし。
ひとまずは泊めてくれてありがとう。


おわり。

2018年10月12日金曜日

週3北大柔道部 20181012

今は精神状態がかなりいい線行っている。
先週やその前とかは、晴れ模様に心が落ち着くなんて、平素の僕からは想像できない状態に陥っていた。
普通なら、何でもかんでも無作法に照らしすぎな陽光に悪態をついて、まあ御利益も無いわけではないし許してやろう、なんて事を考える。
それが今日はどうだ、出勤時に小雨を浴びた僕は、心静かに高揚していた。
僕は元々曇り空が一番好きで、雨が降ると濡れるのと肌寒いので多少げんなりする性質だった。
それが落ち着きつつも昂ぶるという良い状態を保てているのは、今週は練習に顔を出して自分を動かす時間が多くとれたことが効いているのだと思った。

僕の体に積まれているエンジンはポンコツだから、定期的に高回転にしないとすぐにアイドリングストップしようとする。
今のところ、それなりのレベルで自分を追い込むのが一番良い処方箋な気がしている。
そのために、頑張っている人たちのいるところで、そこに混じって自分を半強制的に追い込むのが、かなり重要。
最近は毎回、練習後にすりあげ、そしてスクワットらしき何か、あとは適当に気分で現役のトレーニングに混じる。
誤解されても嫌なので一応書いておくが、苦しむのが好きなのではない。
ただただ、自分を一定レベルに保つには適度に苦しめるのが、現状一番コスパが良いからそうしているだけである。
苦しみに快感を覚える変態ではない事だけは、声を大にして申し上げておきたい。


そういえば今日の練習についての記録をしていない、ちょっと書いておこう。
反復では1年目の町田とマンツーマン。
今日は月曜の技研を逃したとのことで、全部の技を反復させつつ併せて指導もしていった。
そういえばとなりのトトロの猫バスに似ていると思う、ジョジョの5部ならポルポか。
物覚えは悪くなく、ミシュラン型の体で案外器用。
体調不良になりやすい気もするけど、そのうち覚醒したらペッシばりの成長率で伸びてくるかもしれない。
途中変な足の絡み方したら膝痛めるよ、と言うことで実演したら思いの外良い勢いで膝にダメージを与えてしまった、申し訳ない。

練習後は川上と北口とベンチで追い込んでみた。
1年目の笠井は僕らをニヤニヤしながら見ていた。
よく分からんがなんか悔しいので、そのうち強制参加させようかと思う。
おにぎりはツナマヨが好きらしい、そういえばブログにも書いてた気もする。


体感的に、週3以上で練習に参加させてもらえ続けることができたなら、そこそこ好調をキープできる気がする。
ただしそろそろ冬、つまり積雪期。
道場から寮までチャリで30分なのだが、道場は職場から見て寮と反対方向。
職場~道場が15分と少々、職場~寮が10分と少し、だけど冬はチャリが使えない。
加えて冬は仕事が長引きやすい。
対策を考えないといけないのかも、このままだと流れに身を任せすぎてろくなことにならない気もする。

ということで個人的な課題も見えたところで。


おわり。

2018年10月11日木曜日

とんでんソロ

平日夜に独りとんでんへ。
職場を出たのが19:30頃だったか。
一度帰宅、荷物を整理して外出。

札幌駅で乗り換え、地下鉄で北24条へ。
さっぽろ駅のホームで地下鉄を待っていたら芳ばしい臭いがした。
きっと誰かが屁を漏らしたのだ、臭い。
しかし紳士はそんなことで取り乱さない。
2秒で息を吸って10秒かけて吐きつつ3分ほど耐えた。
呼吸は大事である、ただし蛙を殴って岩を破壊したり、吸血鬼やゾンビを倒すことはできない。


とんでんは盛況だった。
平日にもかかわらず、席の7割ほどが埋まっていたような気がする。
もし空いていたら急遽現役も呼ぼうかと思っていたがやめておいた。
山内さんの隣という、いわばVIP席にお邪魔できたというのも大きかったし。

ビールを一杯もらい、お通しのきゅうりの漬物をつまむ。
爽やかな酸味と瑞々しさに、きゅうりの旬は秋だったかと疑いつつ、ビールで流す。
山内さんがリハビリの先生からいただいたという、大分土産のかりんとうのようなお菓子をおすそ分けに。
豆腐を使ったものらしく、甘さ控えめで、ポリポリという小気味よい食感と、焼き立てのクロワッサンとか手作りクッキーのような素朴な甘みと香ばしさあった。
カウンター横のテレビには女子バレー中継。
その手前にいる山内さんの目はいつも通り、テレビの明かり以上に爛々としていた。

テーブル席で飲んでいた男性がトイレに行った、戻ってくると山内さんに呼び止められ、僕が紹介された。
どうやら漫画の方の七帝柔道記を読んだ方らしく、北大柔道部のOBです、ということで軽く挨拶をさせていただいた。
良い体つきですね、と言われたので、お兄さんこそ、と言うと、どうやら剣道経験者だったらしい。
道理で上腕三頭筋が発達しているはずである。
しかしついぞお互い名前も知らぬまま、そのお兄さんの飲み会はお開きになって帰られた。
まあそういうこともある、居酒屋でゆるく広がるつながりも、悪くはないもんだなあと思いつつ、話そうと思っていた言葉をビールで流し込んだ。


本題を忘れていた。
土曜日に林さんが来札されることと、総監督が父親になられる、というニュース。
林さんといえば、今は関西でBJJ戦士として活躍されている、一児の父であり元ボスゴリの偉大な先輩である。
僕が一人でとんでんに通えるようになれたのは林さんのお蔭であり、でなければ今でもとんでんは格式高いナイスミドルのための居酒屋、という認識であったに違いない。
林さんが来られるということで、事前報告・打合せのために伺ったのであった。
多分練習後に、多分10人前後くらいで、という非常に雑な打ち合わせではあったものの、OKをいただいたので明後日は安心して仕事できる。
そう、明後日土曜日はまさかの仕事で、午後の練習は行けずに屯田からの合流である。
何とか後ろめたさを感じずに休む口実は無いものかと模索していたが、頼みの綱の通院と言う手段も、病院の予約過多でNGと言うことでもうだめ。
なので大人しく安心して仕事に向かおうと思う、テンションが上がらん。

そんな話をして、テレビのバレー中継を見つつ飲んでいた。
あとは、実家からもらって処理しきれない果物をおすそ分けしたら、逆にいくら丼をおすそ分けしていただいた。
どうやら今年は鮭が不漁気味で小さく、筋子も当然値上がりし、とても売り物にできない状況とのこと。
そんな状況でも、遠方からのお客さんのために用意して、その後余ったという自家製いくら、有り難くいただいた、当然の如く美味い。
世界は好意の巡り合いで幸せに向かうのだろうと、帰り道の小雨は気にならず、駅から寮までてくてくと歩いた。


北の屯田の館、今まで受けた恩を返したいとは思うけど、1つ返したと思うたびに1つ以上戻ってきたり、あとは申し訳なくも迷惑をかけてしまう、とても有り難い場所である。


おわり。

技研の使い方

指導についての記事を書いて思い出したことがある。
また脳の片隅に引っ込む前に記録に残しておきたい。

内容は、僕の現役時代の技研への接し方について。

1年目の時は、勿論初めての技が多かったから、形を覚えて体を慣らすことでいっぱいいっぱい。
かみつきはじわじわ攻めることができて、お、これは自分好みかもしれない、とか思っていたら、乱取になると返されたり逆を取られたりと散々な目に遭っていた。

2年目以降では、後輩への指導、という項目が追加された。
指導するほどものを知ってないんだけど、、、なんてのはお構いなしに、当時は2,3年目と1年目が人数比で1:1くらいだった(むしろ上級生の方が少なかったかも)から、手が回らなかっただけである。
仕方ないので、知らないなりに「確かこの技はこんな具合の動きだったはず、、、」とかかなりテキトーなことを言っていた。
それでも、人に教えるというのは結構重要なことで、この時に技に対しての自分の理解もかなり進んだ気がする。
お蔭で3年目の時には、後輩への指導はかなりスムースにできていたような気がする(個人的相対的評価)。


話がずれたが、北大では技研というと、多くの場合技のかけ掛け方について学ぶ。
そして技を掛けるには姿勢や動きなど、条件・制限なんてのがある。
例えば、かみつきは正対下の相手に対して、上から、相手の下半身を殺して上体へと登り、足抜きの体勢に持ち込み、主に抑え込みを狙う、という状況設定がある。
これらの核状況において、いくつかの動きのパターンが存在し、取はそれらを状況に応じて使い分けて、さながら陣取りゲームのような形で自分の有為な体勢に持ち込んで、技の工程を進めていく。

そんなこと言われても、言えばできるようになるってもんではない。
だから僕は逆を考えた、各種条件を達成させない分だけ守り切る確率は上がる。
相手の妨害をする、ということが、当時の僕にはとてもしっくりきた。
僕は元来面倒くさがりだから、相手の攻撃の起点をつぶす、なんてのは苦手だった。
なので起点ではなくて、最終防衛ラインを設定してそこだけは死守する、というのが性に合っていた。

そして物事は表裏一体で、防ぎ方を知れば攻め方も何となく分かってくる。
自分がやられて嫌なことをひたすらやるだけである。
色んな宗教家の偉人たちは異口同音に言う、「自分にされて嬉しいことを他人にしなさい」「やられて嫌なことはしてはいけない」。
つまりはその逆をひたすらやる。


そんなことを考えていたら、お前は頭がおかしい、と言われるようになった、いやその前からかもしれん。
でも今就職して思うことの1つは、つまらん。
パンチの効いた人があまりいない、どいつもこいつもどっかで聞いたような普通のセリフを口から溢してばかり。
類は友を呼ぶ、という言葉に頼ればつまり普通なのは僕で、周りみんなが異常だった、ということなのだろう。
普通万歳、僕は庶民的な幸せを享受して足るを知りつつ生きていきたいとも思う。


おわり。

2018年10月10日水曜日

より良い指導法 20181008 20181009

昨日今日は道場に行ったものの、現役と乱取することは無いまま終わった。
理由としては、技研の存在。
個人的なことを考えれば、来週試合に出る予定なのでできれば乱取しておきたかったけど、所詮そんなところなのでまあいいか。
昨日は反復でやる技の研究・紹介で、確か巴、横捨身、山下上がり、ネルソン、両足担ぎ。
今日はテーマ別でやるかみつきと足抜きについて、だった。
巴、山下上がり、足抜きは僕が現役の頃からそれなりにはやっていた技で、そこそこ人に教えられるレベルだと思っている。
ただ、やはり佐々木コーチや笹谷コーチ、他の指導陣の指導を見ると、未だに多くの発見があって面白い。

技に対する思想・理想形の違いや、細かい自分や相手のコントロール法、間合いの取り方なんかも違う。
例えば僕にとって巴投げは投げる技ではない。
8割はIJFルールで寝技に入る為、残り2割で運よく投げることができたらいいなあ、という感じ。

他にも指導の仕方にも違いがある。
佐々木コーチには、長年の指導の中で洗練されてきた技のコアと、自信が漲っていて聞いていて安心感を覚える。
笹谷コーチは、色んな道場で教えてきた経験からか、同じことを複数の切り口で表現していて、対応の幅が段違い。


僕も先輩方みたいにきっちりハッキリとものを教えられる能力を身に着けたい気もするけれど、色々と中途半端でちょっと申し訳なかったり底の浅さが悔しかったりする。
難しいものですね、現役の前では多少自信ありげに見せようともするけど、もしばれてたら恥ずかしいなあ。


おわり。

2018年10月5日金曜日

残業 20181004

練習後のトレーニング。
今の僕は、いつもテキトーに、思いついたことをやっている。
自重で体幹や綱登りをやってみたり、宮武さん率いる「一旦時代の流れに逆らってみ隊(いま勝手に名付けた)」に参加したり、ケトルベルや鉄棒を振り回したり。
基本は独りでやることが多いのだけれど、その合間合間に全体をチラ見している。
見ていて思ったのが、「最近明るくなってきたなあ」ということ。
無論雰囲気のことである、物理的には全く逆、今の札幌は短い秋に差し掛かっていて、朝晩は冷えてきた。

代替わり当初は、何となくみんな暗かった。
練習が終わると各々の時間に入って、「いや、終わったらもうプライベートなんで」ってちょっと壁を作っていた感じか。
まるで会社での僕を見ているよう。
深入りされたりしたりするのが面倒に思えて、なるべく関わらなくて済むようにしたい、という傾向だったように思う。
それが最近はちょっと変わった。
何と言うか、積極性が出てきた。
元々は必要に駆られてやっている人しか残っていなかったのが、昨日はほぼ全員が残って活きた目をして動いていた。
羨ましいことだなぁ、と思った。
僕が主将だった時は、死んだ目をして部に関わらざるを得なかった人もいただろう。
その人達も、僕がやり方を換えていれば、積極的に動けるようになっていたのだろうか、なんてことを考えさせられた。


兎も角、今の練習後のトレーニングについて、雰囲気はいい感じだ。
みんなで苦しんでいて、それを過度に悲観的に捉えてはいない。
前に進むために、今の苦しみを受け入れている。
中島は宮武さんに追い込まれてヒィヒィ言ってるし、三木はコミュニケーション能力が向上して伝えることに対して積極的になって、上手くなった。
藤田は入部当初の若枝のような体が、今や壮木のような健やかさを見せている。
つねおは長いもみあげを湛えて達人の雰囲気を醸しており、ゴムまりのような町田とストレッチをしていた。
町田が「崩上を受けて一番痛いし動けない」と恨み言を呟いていて、確かにそうだな、と思った。
柔らかさがあれば抑え込んだ後の対応能力が向上してもっと強くなるだろうから、もうつねおとは30秒抑えはやらないようにしようかなぁ。
本当はもっとみんないろいろあるけど、そろそろ出社するので観察内容はまた次の機会に。


おわり。

2018年10月3日水曜日

積極的に受ける 20181001

月曜の練習の話。
道場に着いたら技研だった。
今週は帯取返し、縦返し、前三角、地獄絞め、関節絞めの5種類。

技研の期間は、幹部以外は反復では技を指定されるので、自分の使わない技を練習してみるのは結構大変である。
しかも、使わない技はまず理解もできておらず、2年目以上であってもほぼゼロからのスタート、という状況もありがちである。
だけども、上級生や来てくれていた4年目も含めて、全員で技の掛け方を咀嚼しようとしていたので雰囲気は悪くないな、と思って見ていた。


仙人佐々木コーチの主導による技研だが、最近はその教授法が若干異なってきている。
やり方としては、現役やそれに近い代のOBOGにまず実演させ、できれば解説させてからその後に佐々木コーチが指導する、というやり方である。
以前は頭から〆まで佐々木コーチの独壇場であったが、昨今の情勢の変化もあるのだろうか、相互対話的な側面が出てきている。
これの利点としては、指導される初心者にとっては、応用と基礎の両方を受け取れるという点である。
応用とは現役や若手OBOGの技であり、つまりはそれぞれ自分用に技を最適化しているということである。
対して佐々木コーチの指導では、技の本質をより普遍化した基礎について語られている(と僕個人は思っている)。
そういうわけで最近の技研は、成った実を観賞させたり、ちょっと味見させたりしてから、種を蒔いている。
この良し悪しがいつどんな形で出るのかは誰にもわからないけど、それでも僕らは行動していくしかない。


技研をやればその後は反復練習、これが中々の曲者である。
というのも、殆どの場合反復は独りではできない。
範馬刃牙レベルのイメージ力があれば可能だろうが、非才で面倒くさがりな僕らには荷が重過ぎる。
ということは必然的に相手がいなければできない。
そしてその相手によって、反復の質は左右される。
要は受け方の問題である、掛け方ではなく。
自分本位であれば、痛みから逃げたり、体力の消耗を避けるための受け方をする。
相手を思いやる風を装えば、相手が望む理想の動きに合わせて受ける。
もう少し進んで相手と向き合うなら、相手の理想と現実との乖離や、理想の更に先の動きを考えて受けつつ何かしらの動きを加える。
そしてもっと進むとどうなるのだろう、その辺はまだ見当がついていないけど、余裕のある時に少しずつ進んでいけたら、と思う。

こういうことをやるとうける自分は疲れるし、相手にも余計なことをさせたり考えさせたりで、ストレスを与えることになる。
そのストレスを処理可能な範疇に収める加減が難しい。


おわり。