2019年9月28日土曜日

段取八分 20190928

今日は休み、いつもよりかなり早め、13:15くらいに道場に着いた。
居合道部の居残り組を横目に体を動かす。
今思えば、ちょっとくらい観察してみても良かったかも。
現役時代には居合道部のクラスメイトがいたのだが、「ウチの居合道はイメージ力がカギ」的なことを面白く語っていた。
僕は基本的に「そこにある」ものを「ふーんそこにあるのかー」と流すタイプなので、想像力を養う一助となるかもしれない。
まあその辺は、僕が仕事で叱られてればいいところなので、現役部員たちにはそんなに関係ないか。

13:30になると下級生が箒を出してきたので、手持無沙汰もなんだから掃除に加わった。
現役連中も酷い奴らで、僕が掃除をしていると箒を奪いに来る。
折角着替えも体を解すのもやって、棚ぼた的に運よく手に入れた箒を、である。
早く色々と整えて、この後の練習をより良くするためにも、貴方方は掃除をするべきではない、そういうのはちゃんと掃除の時間に来ていて、且つ自分以外にも気を遣える人間や、それか僕みたいな暇人にやらせておけばいい。
そんな万感の思いを込めて、「いやです」と返した。

そういえば、宮武さんとこのお嬢さんもいらしており、生後11ヶ月にしてすっくと量の脚で立っていた。
足腰が強いのはどう考えても父親譲りだろう。
今のくりくりした曇りなき眼もそのうち鋭くなって、現役部員たちを蹴散らすのかもしれないなぁ、なんて思った。
道場に一定数いる碌でもない連中みたいになってはいけないよ、と心の中で付け加えて会釈。


さて練習の話。
先日は珍しい技があったけど、今日は珍しい人がいた。
姉御こと松尾と、長身色黒コミュ力エリート松本である。
松尾は職場が室蘭らしい、そういや何で今日来てたのか聞くの忘れてた、まあきっと飲みにきたんだろう、それに違いない。
松本は遊びに来てたらしい。
現在就職かドクターかで悩み中とのこと。

さて本題。
今日は久々のフルの基礎運動で早々にバテた。
倒立歩行がぎりぎりだったので、調子は悪い。
それでもできることはいろいろあるので、乱取では色々とやってみた。
今日は乱取中にストップ、巻き戻し、リスタート機能をつけてみた。
勿論3年目は除く。

乱取終わり、目の端で、怪我で抜けてる千葉が綱を登ってた。
「とりあえず1往復ずつやってくか」オーラに満ち溢れていたので阻止。
強制続行させるとまだまだ行けた。
自分で追い込み切るのは本当に難しい。
その為の自己暗示を10とすると、他人から3言われただけで同じ追い込みレベルに到達できるので、できれば現役同士で高め合ってほしい。
僕自身も例外ではなく、放っておくとすぐにだらけるので、その都度意識レベルの高い人が交代でチームを引っ張るのが良いと思う。
主将とか指導者とかそんな概念的なものではなく、雁の群れや自転車レースにおける先頭役ってイメージ。

研究では引込についてと、体の運用法についてちょっと多めに話した。
引き込んで次の瞬間に、早速ピンチになるパターンが多すぎる。
理由は明白、引込のレベルが低すぎるから。
攻撃用でも防御用でもなくて、授業用の引込がゴールになってしまっているからである。
今の現役の引込は、僕を含めたOBOGや正対師の上級生が、七帝を知らない人に掛けてあげる引込である。
つまり、「ちゃんと寝技に入ること」「その際に受けに怪我をさせないこと」を主目的としており、試合での実用度が著しく低いものになっている。
そら相手に好き放題されるわ。

次、身体の運用法について。
人体の各関節は、その可動域全域において筋力を十全に発揮できるわけではないということ。
ある関節1つに限定してみて、それを最も効率的に使える範囲を各々探るべきだということ。
練習はその可動域を広げたり、そもそもの出力を上げるために行っている。
更に高次になると、関節aを維持したまま運動の可動域を拡張するのに、別の関節bを使うこともできるようになる。
相手を引くときに、初心者は腕で引こうとしていたのが、そのうち肩や背中などを使えるようになっていく過程がそれにあたる。
更に上だと、相手の無意識の身体反応を操ることもできるだろうけど、僕もそこまではよく分からん。
ただ、こういうのを実体験として得るその瞬間は、本当に世界が変わった感がすごい。
まあしかし、すぐに慣れてまた次の課題が出てくるんだけれど。

さて今回も文字ばかりになってしまった。
インスタ映え(この言葉ってまだ息してるの?)とかミリオンライクは遥か彼方。
現在豚の背油からラードを抽出しているところなのだが、そんな写真を載せてもどこにも需要は無いだろう。
一部のジロリアンとかには受けるかも、、、。
ブログ広告収益による不労生活はまだ遠い、ひとまずはまた明日働かねば。


おわり。

2019年9月27日金曜日

めずらしい 20190926

今週は「普段やらない技をやるんだ」とは仙人佐々木コーチの談。
袈裟の逃げ、横三角に対する逆転、裏三角、袖車の4つ、いやもう1つくらいあったか?
袈裟の逃げ以外は僕も観てて「うわー懐かしっ」と思うくらい、ここ最近はご無沙汰な技ばかりだった。
ご無沙汰と言うのは、突発的であったり、個人的に教えることはあるが、わざわざ時間を取って体系的に全体向けに、ということ。

僕なりのポイントをおさらいしておこう。

袈裟の逃げでは、主に投げ抑えを想定した逃げ方。
つまりただでさえ(取りとしては)極めるのが難しい袈裟固めの、尚更甘くなってるものくらいは(受けは)ちゃんと逃げろよ、って意図が含まれる。
具体的には、3つの動きで振って抑え込みを脱出する。
腕と肩を抜いてうつ伏せになる動き、足を絡みに行く動き、取りの腰を腹に乗せて返す動きの3つ。
恐らく、1つ目の動きが中々に掴み辛いと思う。
解決法は、基礎運動の肩ブリッジをちゃんとやること。

横三角に対する逆転は、殆どタイミング勝負の技術になる。
藤田、笹、笠井、近藤、市原、清水あたりは苦手そうな気がする。
逆に得意そうなのは、(やる気にあふれてる時の)森、片桐、坂田、澤田とかだろうか。
まあ、ちゃんとやってりゃ誰しもそこそこのレベルでできるようになるはず。
ざっくり言うと、返しに合わせてぐるっと回るだけだし。

裏三角。
三角を組むことに意識を持っていかれがち。
本当に重要なのは手の置き方と腰の位置。
極めるための三角ではなくて、逃がさないための三角だと捉えると良い気がする。

袖車。
実戦で使うことを想定すると、胴絡みに入られたその瞬間の動きが一番重要。
機先を征して形に嵌めればおそらく大丈夫。
それでも極まらない場合は、そもそも絞め落す感覚が養われていない。
後重要なことは、体格やフィジカルで勝っていれば小細工なしで真正面から行っても極まる、ということ。
但し圧倒的に勝っている場合は、多少、程度ならちゃんと練習しろ、という訓告が含まれている。


その他研究内容。
三澤さんの鉄砲のコツ、これは僕も非常に勉強になった。
普段使っているのとは理論、動きの軸が全く異なる返し方。

手良向の横三角。
まあ厳密に言うと横三角ではなく、技の入りだけ横三角の別物。
これは僕も現役の時からちょくちょく使っていた技術で、「横三角やりたいです」って人ほど理解に苦しむ技術。
抜き役の目的は「抜くこと」で、横三角は手段の一つでしかない、って発想。
蛇足だけど、もう1つ大事なのは「その後分けること」。

もう1つ、手良向のパスガード。
同側の手足を流すという単純な動きだけど、実は手良向専用技。
直接本人を観てみればいいけど、足腰が常人のそれとは違う形状で、ピクルみたい。
あと柔軟性も高い、重心移動の仕方がえぐい(立ち技をやると分かる)。
つまりまだまだ一般化出来てない動きなので、研究の余地はかなりあると思う。


こんな感じ。
技術談ばかりになったけど、僕が道場に着いたときには乱取の最後の1本だったし、他に言えることもない。

そういえば週末は女子部員が全国大会に出場する。
1年目後藤と、2年目藤本の2人。
開催地は秋田県立武道館とのこと。
秋田か、行ったことない土地の一つである。
僕の近い代の東北勢で「東北最下位は○○県だ」の小競り合いをしていたイメージしかない。
ちなみに参加県は青森、秋田、岩手、山形。
上記県の出身者曰く、「宮城と福島は比べるのもおこがましい」とのことであった。
そういやこの論争、決着ついたんだろうか、うーんでもあんまり興味ないな。


おわり。

2019年9月25日水曜日

遠征のビデオちょっと観た 20190924

仕事終わり、道場に着くとミーティングの終わり際。
男子の方、次の目標は1ヶ月と少し後の東北戦。
女子については、いなかった(というか僕が見てないだけで部室にいたのかも)ので分からん。


僕の耳が腐ったのでなければ、東北戦で勝つ、と言っていた。
さて、可能性はどのくらいだろうか。
七帝終了時点、残存戦力で比較してみた。
北大と東北大では、3年目が4人対3人。
2年目は5人対4人。
1年目は4人対4人。
人数では北大がやや有利。

次に試合の中身。
黒星をつけられたのは8人対3人。
白星を挙げたのは1人対3人。
北大は2試合で24戦2勝12敗、平均1勝6敗。
東北大は3試合で26戦6勝6敗、平均2勝2敗。

だいぶ雑なまとめ方だけど、数字としてはこのくらいの差。
両大学とも名古屋大、大阪大と試合してるので、そこで比べてもいいかも。
どう考えても結構な差があるが、遠征での手ごたえは如何だったのだろうか。
僕は同行してないので分からん。


そういうわけで撮ってきてくれた動画を観てみた。
19時前くらいから2時間弱、主に乱取の動画で、それを眺めて考えていた。
1年目坂田が結構な頻度で映されており、本人も居残りで近くにいたので、同じくいた岡本と川上も一緒に研究。
引込の分類とその使用法や、足を越えた際の動きや思考のコツなんかをみんなで探っていた。
坂田の良いところは咄嗟の時に思い切りよく動けるところだけど、そこに理論も持ちこめられればもっと良くなるはず。

他の現役部員についてもいくつかの知見を得た、というか再確認。
フィジカルの重要性。
森まるは70kg台前半の格下なら取れそう、あとは全部弾かれて取れない気がする。
千葉の羆落、男子部員の多分9割に効かない説。

藤田はフィジカルはそこそこだけど、判断と行動の瞬発力が劣ってて損してる。

他の部員はあんまり映ってなかったので、次は他のカメラとかも見ないと。
全体を観てて思ったのは、どの大学も1年目は色々と試している段階だということ。
個々はそう変わらないし、技術的にもそこまでの差は感じなかった。
だからこそ、高校までの経験値やフィジカルがそのまま実力の差に出ていた。
ダクソで例えると、道中で入手した武器を使ってみたいと、ステ振りに一貫性の無いような時期。
あとは、画面の端々に何人かの見知った姿を確認できて感嘆してた。
「お、コイツ後ろ三角やってんのか!珍しい!」って思ったら竹平だった。
北大だと木村さんや東さんを確認、他大の大先輩方もちょこちょこ。
「みなさんすげーなあ、有り難いなあ」と思った。


その後ちょっとだけ筋トレして帰った。
さて、差をどう覆そうかな。
そこまでの道のりと七帝までの道のりとの整合性はどこまで必要だろうか。
考えることは多い、考えられる時間は少ない、実行できる時間は更に限られてくる。


おわり。

2019年9月15日日曜日

遠征前 20190914

起きた時から微妙な調子だったけど、とりあえず道場へ。
何事もやらねば始まらんので、行けるときは行く。
主将の藤田は不在、森が号令掛けてた。


準備運動終わって基礎運動。
腰切りまで終わったらよく分からん運動が始まった。
サッカーのブラジル体操だったっけ、多分それ。
面食らってちょっと見てから、3往復目くらいに合流した。
こういう全身の連動性が必要な動きをやると、一定数はひどい動き方になる人がいるのだが、今回観た限りでは割と普通だった。
ひと安心したものの、即座に思い直した。
この日は藤田と市原が休んでおり、個人的にこの2人は要注意人物な気がするので。
何かしら新しいことを試みるのも必要だとは思う、しばらくやって効果がありそうなら続ければいいし、ダメなら修正すればいい。
さてどうなるのやら。

打込みは清田監督に誘われて、2本目から合流。
曰く「俺も中に入って実際にやった方が伝わる気がしてきた」らしい。
その辺りの代の先輩方は、打込みレベルが高い。
というか練習メニューそれぞれへの要求レベルが高い。
多分だけど、そうでない者は良くて罵倒されるか制裁される、悪けりゃ完全無視されるような雰囲気だったんじゃないかと疑っている。
僕は立技についてはほぼ捨てていたので、「寝技に入れる技術さえあれば」ってことでレベルを割り振ってたクチ。
今思えば、それを妥協だと憤っていた先輩もいたのかもしれない。


乱取は押し出し6分×15本。
出来るだけテーマを決めてやるようにはしている。
1年目とやるときは主に正対下から取りに行く。
入学以前に柔道やってても正対下から攻められる経験は少ないだろうから、その補完。
初心者スタートの石川も、だいぶ動けるようになってきてた。
2年目だったら、そいつが練習している形に入ってから取りに行く。
都度、相手のレベルの半歩先、1歩先、それ以上で、とかいろいろ変える。
広く浅く、よりも狭く深く、を優先する。
片桐はだいぶ上手くなったし、そもそもの体も強くなってきてる、もうちょいだ。
まあ僕が言わなくても、道場に来る人は全員感じてることだろうけど。
3年目以上は、基本ガチンコ。
力加減も手加減もしない。
と言うより、本気でやらざるを得ないくらいに強くなってるはず。
抜き役になる選手で、且つそこそこ力がついてきたら、守り一辺倒で相手する。
現段階では西森に一部適応している。
この日は「正対下と亀で分ける」って宣言してから乱取やった。
ここを越えれば、次は立ちと足抜きでの引分戦法も入れていくつもり。
最後は積極的な動きとして、何とか後ろについてそのまま6分を流す戦法もある。


研究。
ここ数年の流れとして、「○○の技を使うとき、□□が上手くいかないんですけど」という質問が多い。
何が問題と思っているかと言うと、分け方についての質問が殆ど無い。
攻め方だけを考えるより、防ぎ方も考えるべきだと思っている。
全て技術は攻防のせめぎ合いから生じるから、両面から見るのが良いはず。
というか柔道だけの話でもなくて、何事も複数の視点(≠目線)から思考して、その上で選択するのがリスク回避の王道だと思う。
成功するかどうかは分からんが、失敗にしくくなったり、失敗の理由を掴みやすくなったりするだけでもだいぶ違う。

防ぎ方については他の指導陣にも一定の理解を得られた。
佐々木コーチからは「反復のレベルが酷いのは受け方が下手だからだ」という点で非常に共感した。
仙人の脳内では「技研時点では2,3割の力で受ける。段階的にあげて、最終的にはほぼ乱取レベルの反復をする」のが理想らしい、同感。
ちなみにここ2,3年は、全体の7割くらいが技研初期くらいの受け方をしていた。
季節に1回は注意してたはずで、ただ「そしたらあとは幹部が取り締まってみんなのレベル上がるだろ」って様子見するだけなのは甘かった。
結局改善されないままここまで来てしまった。
僕の度重なる失敗の、回りに回ったツケが、今の現役に降りかかっている面もあるということ。
幹部すらも含めて、初歩的なところからやるしかない。
最近道場に行ける機会が減ってきているから、管理できるのか本当に不安。


この間から再考、コーチとは何ぞや。
どういう距離感で、どういう行動をすべきか。
課せられた仕事とは。
そう考えてたけど、意味がないから止めた。
その辺りは方法論であって、その都度考えて行動して、失敗したら修正すればいい。

よくよく考えると、指針はだいぶ前から変わっていなかった。
次の足場を指し示すことと、気付けない視点を提供して視界を開かせること。
そしてその代の現役の掲げる目標・本気度・現状をみて、僕自身の「北大の七帝優勝」という願望との兼ね合いを考えて行動している、多分それだけでしかない。
というか、それ以上にできることはない。


おわり。

2019年9月7日土曜日

映し鏡 20190905 20190906

昨日は練習試合の観戦。
今日はテーマ別の背負い潰しを2分裏表2,3本。
乱取6分×4本くらい、抑え込み30秒裏表×4本くらい参加した。

勘の良い選手は気付いてたと思う、それぞれの次の段階に進んでいる。
或いは、そういう風に自分を変えたのかもしれない。
何に、かは内緒、それは道場にいる人だけが知っていればいい。
僕の見立てでは、割と元からなのが各学年に1人ずつ。
変わりつつあるのが全体で2人くらい。
推せば多少はどうにかなるのが大多数。
現段階ではかなり厳しめなのがちょっぴり。

さて苦言、体調不良と怪我で、全部の練習ができるのは10人を切っていた。
無理はしないほうが良い、ってのはつまるところ程度問題だと思う。
真に理性的な人なら、そもそも戦いの場になんて出てこないだろうから。
それを敢えて出てくる者、しかも、確実に勝てるかどうかわからんものに手を出すと決めた時点で、無理は必然的に生じる。
無理の必要量は自分で選ぶしかない。
他人に強制されたところで、どうせ身につかないか、或いは耐えきれなくなるだけ。
僕の判断基準は2つだった。
・今の状態でも、試合に出るかどうか
・無理をした場合のデメリットの方が、明らかに大き過ぎるかどうか
ダメだったら道着は脱ぐようにしていた、と思う。
自分の中に線引きをするように。
乱取に入ってる人たちが、「コイツはやっていい奴だっけ?」って余計な思考をしなくていいように。
繰り返すが無理をしろ、ということではない。
ただ、上を目指すならいつかどこかでいくらかは必要になる、それが現実である、ということ。
あとは、まあそもそも体調整えるなり怪我しにくい体にするなりは当然。
しかし、「当然」って言われていることって、大体の場合当たり前のように出来てないことばかりな気がする。
メディアのコメンテーターが発信する情報とか、どこかのプロ市民が主張することとか、親や先生・目上の人がする注意とか。


あと、忘れてたことを思い出した。
他人の不快なところは、 おおよそ自分の嫌いな部分とリンクしている。
周りをダメだというときは、僕自身が乏しくなっているときだ。
事実、気を漲らせようとすると非常に疲れた。
相手を圧倒する雰囲気が、どうしても散じてしまう。
再生産するのに余計に消耗する。
ベストは、身体に巡らせた状態。
発散させずに、肚に据えて充実させる。
そういう時は、むしろ穏やかになる気がする、静かにやるべきことをやる。
気を抜くわけではなく、自分でも気づかないうちに自然と動いているような状態。

道場に向かう途中、雨が降っていた。
「お前(雨粒)が俺を避けて落ちていけ」なんて思って歩いた。
すれ違う人を「コイツは何秒で制圧できるか」って考えて歩いた。
そうやって気を張って歩くだけでも息が詰まった。
呼吸は浅く、身体のあちこちが強張っていた。
甚だ未熟、でも最初はこんなもん。
変わるべきは僕だ。
作り直し、なら、まずはここから。
机上の必要最小限の努力なんて余裕で越えて初めて、変化の駆動力が機能する。
理を得たいなら、なるだけ理不尽を選ぶしかない。


おわり。

2019年9月3日火曜日

たとえばなし

「アタシ痩せる、勿論アンタは手伝ってくれるわよね?」

お、ついにやる気になったか、ずっと待ってたわ。
ちなみに今どんなんだっけ?

「そんなこと聞くなんて失礼ね、でもしょうがないから教えてあげる、ちょっと待ってて」

いやお前も把握してねーんかい。
えーと20歳の身長が160、体重は、、、80kgくらいか?
運動は一切ナシ、、、だったよな?
改めて、一般的に見たらやべー体型だな、むしろ今更感すらある。

「えーと、身長が160くらいでー、体重がー、えーと」

さっさと言えよもうそこに数字書いてあんだろ。

「80kgくらいかなー?」

くらいかなー?ってなんだよ、はっきり言え、つーか見せてみろ。
、、、158cmの84kgな、サバ読みまくりかよ、はあ。
んでどのくらい痩せるつもりなの?

「来年の学祭のミスコンに出るの、入賞とかできたら良いわよね!」

それ結構人生変えるレベルでやんないといけない訳だけど、ホントにやんの?
つーか単に痩せるだけでどうにかなるようなもんだっけそれ、、、。

「やるったらやるの、あたしは人生勝ち組になるのよ」

――2ヶ月後――

「痩せたわ!!」

4kgな。
キミのダイエット前の食生活だけど、朝昼晩におやつに夜食で計5食。
だいたいの摂取カロリーは1日4500kcalだ、平均な。
んで、今の『頑張ってる』キミは、朝昼晩におやつの計4食。
間食に気を遣ってるみたいだね、平均4000kcalだ。

「どーよ頑張ってるでしょ?ちょっとすっきりしてきたんだから」

確かにあごと首の境目が分かるようになってきたな。
2か月前よりも、相対的には頑張ってる、それは認めるよ。
トレーニングもしてたんだっけ?どのくらいやってたの?

「体が痛くないときよ!筋肉痛って言うの?ホント痛いんだから、動けないのよ?」

いや、トレーニングってそういうもんだろ。
で、具体的にはどのくらいの頻度なんだっけ?

「覚えてないわよそんなの!1回やると3日は痛いんだから!」

つまり週2くらいってことね、はいはい。
はあ、まあ前よりはマシなのかな、成長してると思うよ。

「でしょ?何が不満なのよ?」

キミの目標って何だっけ?

「ミスコンよミスコン!優勝してやるんだから!」

(いやなんで目標上方修正かかってんだよ)
こっから更に頑張るってこと?
プランってあるんだっけ?

「は?何でよ?結果でてるからいいじゃない?アタシにはこのやり方があってるんだわきっと、ねえアンタもそう思うでしょ?」
「それにこのペースなら来年までにはあと20kgも減ってるのよ?」

(これは少しでも前向きになったことを評価すべきか、確かに頑張ってるし良くなってきているのは事実で、周りの人からもそう言われつつあるみたいだけど)
(それとも、あくまで目標との乖離具合を指摘したほうが良いのか?めっちゃ厳しい現実にちゃんと向き合わせるって、パンクしかねないけどいいのかこれ?)
(ん?というかそもそも自分で勉強なり何なりしたのか?『とりあえず1食抜いて散歩始めました』ってだけでしょこれ)


フィクションです。
実際の人物とは一切関係ありません。
科学的な正しさなんかも一切ありません。
女性のセリフ考えるのしんどいですね、深夜テンションじゃなければ全消去しているところです。
書き出さざるを得なかった、こんなことして意味はあるのかないのか。
まあいいか、意味づけは後からいくらでも出来る。


おわり。