2020年6月29日月曜日

緑と橙、空の水色【現役紹介】

寒い。
本日の札幌は雨、気温は最高20℃ちょっと。
7月も間近、海開きをしたところあるが、こんなもんだっけか。
七帝の予定地だった大阪は30℃超で、季節が2ヶ月程違うように思える
5月以降は毛玉だらけのセーターをアンダーウェアにして、追い込み期を過ごしたのが思い出される。

遅い春を迎えた札幌で、快適なはずの外気から断絶した道場内。
足抜き下で根元さんや小竹さんの「板」に首を持っていかれたとき、宮武さんや林さんに当たる直前の、辛さが降りかかるそんな瞬間、ふと視線が上を向く。
すると窓から外が目に飛び込んでくる。
日も長くなり明るくなった空の色、繁る木の葉と、その隙間を縫う夕陽の光。
一瞬だけ思考が塗り替えられて、戻ってくると今度はちゃんと、現実と向き合う気持ちになれる。
そういうものに、僕は救われていたのかもしれない。
大方嘘である。
そんな情緒あふれるシーンなんてなくて、多分後付け美化作用。
実際は窓が曇っているし、景色に浸る余裕も無いし、ってところだったろうし。
「なんでこんなことやってんだろう」とは一瞬だけ思うものの、やり始めるとすぐにそんなこと考えている暇と体力なんて無くなる。
爽やかさなんて、きっと無かったんだろうなあ。

皆さんの追い込み期はどんな思い出があるだろうか。
いや思い出したくもねーよ、という方々も多いだろうけど。
正負の方向問わず強く残る記憶、というものを共有しておくのも、彼らの今後に繋がる一手なのかもしれない。


さて、幹部の紹介に移る。

彼。
派手である。
見た目、中身、言動、などなどひっくるめて、存在感がある。
日本人には中々居ない、原色の赤を纏っても負けなさそうな雰囲気。
僕の中では、アントニオ猪木、父親に次ぎ、3番目の人間。

変化を恐れない。
入部当初は純朴なメークインだったが、ケガによる離脱時に増量に成功し、立派な男爵へと変貌した。
ただ、そのフィジカルを活かし切れない感は、きっと心の持ち方を戦士にしきれなかったのかもしれない。
活かし方を考えたり、伝えたりし切れなかった僕の力不足も、大いにあるのだろう。

また、独特な思考を即座に行動へと変換するため、周囲との軋轢もあったと思う。
ここで言う周囲というのは、主に先輩方なのだけれど。
ここだけの話、OBOG(かなり上も含む)の数名から僕に、「あいつちょっと規律に疎すぎやしないか」という相談を受けたことも。
「常識や伝統慣習を理解した上で、それでもぶっ壊す選択をとれるのが藤田なのかもしれませんね」とお返したこともあるが、果たして実際はどうだったのだろうか。
そこを含めて人間性の妙なのだろう、正直僕も読み切れない部分が多い。
良くも悪くも、そんなトリッキーな人材である。
現役同士や、後輩からはその面白さが好評だったことも、大いにあっただろう。
将としては、そのトリックスター的な面が色濃く出ていて、彼らの代の特徴のひとつでもあった。

そんなわけで、派手なのと独特なのとで、藤田は孔雀。



毒虫や毒蛇を食べるらしい。
悪食、という奴だろうか。
これも藤田のイメージにぴったりかと思う。
毒耐性も高そう。

ところで、孔雀という鳥は、どうやら飛べるらしい。
生命の危機にのみ飛翔する、とは描くにあたって調べた際、初めて知ったこと。
思えば藤田にも似たようなところはあると思う。
大柄な体格、突拍子もない発想とそれを実行する胆力は、その片鱗だったのだろう。
惜しくらむはその、真に飛翔する様を見ることが叶わなかったことで。
ではまたの機会に、しかし彼にとっての危機とは、または、そうせざるを得ないときとは、、、。
そんな場面を、見たいような、いやそもそも、そんな状況にならない方がいいような。

ちなみに孔雀が翔る姿は本当に美しいので、興味ある方は画像検索されるとよろしい。


おわり。

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