2019年12月5日木曜日

距離感 20191205

「柔術の悪いところが出てる」とは、研究の際に仙人佐々木コーチから発された言の一部。
先輩に対して失礼な物言いではあるが、正しい言葉遣いだと思った。
柔術(=この場合はBJJ)「が」悪いのではない。
エッセンスの取り入れ方に不備があるということ。
色々の要素が絡み合った結果、今は、上手くいっていないということ。
世の中そんなんばっかり。
我々にとってはちょっとしただけのことでも、実は大きなきっかけになっているのかもしれない。
桜を見る会も、世の流れによっては「そんなに目くじら立てるほどか?メリットの方が多そうじゃん」となっていた可能性があると思っている。
まあ実際のところは知らんけど。


寝技が主戦場になりがちなところは同じである。
逆に、七帝柔道とBJJの最大の違いはどこにあるか。
「抑込で勝負が決定されるか否か」である(これも仙人の言、僕も同意)。
これによって、競技特性としての距離感が変わる。
是である七帝(に限らず一般も含む)柔道は、近間。
否であるBJJは遠間。
遠間で戦うBJJでは、すり抜ける技術が発達している。
対して柔道で発達しているのは、すり潰す技術である。
これらはイメージだけれど、ここを理解して肌感覚として持っておかないと、せっかくの技術も七帝では空回りしてしまいがち。
BJJは悪くない、悪いのは競技特性に合わせないこと。
どんなにコードバン靴がお気に入りだったとしても、雨雪に履いてはいけないのと同じ。
とは言いつつ2,3回小雨に遭っているのは、ここだけの内緒の話である。


そういえば、競技特性としてBJJの方が遠間ではあるが、日常生活に比べれば近いことには変わりない。
だからこそ社会人にも受け入れられやすいのかな、近いとは言ってもお互い動ける距離ではあるし。
これが柔道になると、近すぎて暑苦しい。
だから「適度な距離感」が求められる社会人には、些かウケが悪いのかもしれぬ。
事実、北大柔道部の現役達は物理的精神的な距離が近いことが多々ある。
その濃さと言うと、水飴を煮詰めたようなもので、乱暴に言えば気持ち悪い時もちらほら。
近過ぎるとハラスメントになる世の中なので、社会復帰の際には苦労するかもしれないが、それもまたひとつ、人生の嗜み方なのかもしれない。
好きに選んだらいい。
その責任は、自分だけに与えられる特権でもある。
羨ましいと、そう思わない訳でも、なかったりもする。


おわり。

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