2018年7月9日月曜日

七帝戦おわり

7年前の札幌大会から始まった僕と七帝柔道との関わり。
今年は8年目、つまりは2周目の始まりということだった。
北大主幹ということで、僕も審判長補佐という身に余る肩書を与えられて運営側の人間として動いていたわけだが、なかなか手も空かなくて、学生たちをしっかり見る余裕がなかった。

結果から言うと、北大は男子が最下位、女子が4校中3位ということで、この代の幕は閉じられることになった。
7分の1になることのできなかった、その他大多数ということ。

女子の試合については、審判として働いていた関係で、残念ながら試合の1つとして見ることは出来なかった。
OBOGその他の方々の話を聞くに、アツい展開があって、オーダーの違いですぐにひっくり返るくらいの差でしかなかったということらしい。
男子にも、ある程度同様のことは言える。
今年は明らかに突出したり、見劣りしたりする大学はおらず、オーダーの妙を特に強く感じた年だったように思う。
ただ、2日目に残るかどうか、優勝を勝ち取れるかどうかの線引きは確実にあって、北大はその前者で、既に引っかかっていたのだろう。
そんなところで、いくつか思いついたことを、羅列してみる。

・ミスを挽回できるかどうか。
勝つチームは、ミスを取り返すことのできる大学だった。
北大は、残念ながらミスがずるずると連鎖し、尾を引いてしまう展開になってしまっていた。

・一体感のレベル。
現役内、指導陣を含めたチーム内、もっと言えば普段から何かと関わるような人たちの中での意識共有が甘かったような気がする。
試合上に上がった選手が何をするのか、何を求められているのか、相手選手に対して何ができるのか、それとも相手の柔道スタイルに関わらずにやることは変わらないのか、僕個人は正直に言って、そこは把握できていなかった。
選手にアドバイスしようにも、場当たり的なことしか言えないことも多く、むしろ何も言えないんじゃないかとも思った場面もあった。

・ファイターなのか、コレクターなのか。
現役部員の潜在意識として、闘う心構えができていなかった。
七帝柔道だけでもないが、勝負は我の押し付け合いのような側面も多分に含んでいる。
技術が要求される寝技において、多様な技術のコレクターであることは強みと言える。
ただ、常に100点の解を探していられるほど、時間的、精神的、身体的に余裕のある選手はそうはいない。
80点でも、なんなら30点でも、自分の信じた解を主張し続ける方が、対戦相手としては厄介に思うような気がする。


さて、話はまた変わるが、今回の七帝では、大学を問わず、頑張った選手達が活躍していた。
普段の積み重ねができている選手、ともすれば思考放棄できてしまう単純な動き1つ取っても、意識してやってきたんだろうなあ、と思わせる選手が何人もいた。
僕が見れた狭い範囲だと、九大仲原君、京大細江君、松尾君、名大石川君らが、それにあたる。

試合前のアップを観れば分かるが、基礎運動や打込、反復のレベルが高い人は強い。
機能美ということだろうか、理に適った動きや意志のこもった動きは見ていて気持ちが良い。
上には敢えて挙げなかったが、東北大学の基礎運動はやはり安定して巧く、代が変わってもレベルを維持し続けているのは本当にすごい。
東北大学の4年目の選手は、体格に恵まれたタイプではないが、戦いぶりが非常に安定していて、全体のレベルとして北大との差を如実に感じた。
彼らの、自分の型に嵌めるまでの迷いのない動きぶりには、審判として観ていても思わず鳥肌が立つ程だった。


何はともあれ、今年の七帝も終わった。
それぞれが、栄光や挫折、感動や後悔を得て、また1年が始まる。
次は九州、福岡にて。


おわり。

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